広がる"資格貧乏"!税理士、社労士の悲哀 弁護士、公認会計士だけじゃない
私には、この話が弁護士や会計士、社会保険労務士など人気の国家資格の惨状と重なって見えます。若手が資格を取得した後、就職できないかぎり、実務的トレーニングを受ける場がないというのは問題です。
もっとも最近では、こうした状況を問題視する心ある弁護士や税理士が、有志で若手向け実務トレーニングセミナーを開講したり、メンターとしてメンティを指導する動きが盛んになってきました。こうしたチャレンジが、もっと増えることを願ってやみません。
さらに、企業はもっと経験のない弁護士、会計士、税理士、社会保険労務士らを雇い入れ、経験を積むキッカケを与えてくれたらと願っています。
また、資格のグローバル化も課題です。各国で法律が違う弁護士はまだしも、会計士のグローバル対応が遅れているのも、問題なのではないでしょうか。会計士は、言語に関係なく、数字を扱う仕事ですし、会計基準もIFRSなど国際標準化が進んでいます。
ところが肝心の公認会計士資格がグローバル化していません。それは、国内の会計士の仕事を守ろうとするロジックが働いているのかもしれませんが、それがかえって世界での孤立を招いている印象です。
イギリス系の会計資格である「ACCA」は、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどに資格取得者を拡大、インドネシアやインドなどアジアでもたいへんな人気になっています。アメリカ系のUS.CPAもバーレーン、レバノン、クエートなどで試験が受けられます。ところが日本の公認会計士はACCAともUS.CPAとも互換性を持たせようとせず、どちらにも歩み寄らない。
このままでは、ガラパゴス資格になってしまいます。
拙著『資格を取ると貧乏になります』では、このような資格の課題や、士業の世界で成功している方々から聞いた「資格を上手に生かすための戦略」についても触れています。
資格をテコに飛躍したいと考えていらっしゃる方、あるいは資格を取ったものの路頭に迷っていらっしゃる方には、ぜひ、お読みいただけたら嬉しいです。
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