広がる"資格貧乏"!税理士、社労士の悲哀 弁護士、公認会計士だけじゃない
名刺を刷り、自宅で開業したところで仕事は皆無――という人が毎年大量発生し、同じく「食いあげた先輩社労士」が彼ら彼女ら「ヒヨコ社労士」を食い物にする「ヒヨコ食い」なる現象が起きるほどです。
ヒヨコ食いとは、平たく言えば、ヒヨコ社労士向けの開業セミナーを開催し、受講料を取ることです。その何が問題なのかといえば、6日間の講習で30万円以上徴収するセミナーもあるほど高額なのに、その中身はお粗末そのもの……ということがザラにあるからです。
名刺の交換の仕方や自己紹介の練習、営業のロープレなどを教える程度の開業セミナーに、はたして30万円を出す価値があるでしょうか? 中には、資格者の夢である本の出版をちらつかせ、「出版企画会議に出席できる」などとうたうケースもあるそうですが、もちろん、そのような出版予定は、最初からありません。
それでも、資格を取りたてのヒヨコ社労士たちは、喜々としてその“出版企画会議”の様子をSNSにこぞってアップする……その様は、哀れとしかいいようがありません。
うつ病患者がターゲットに
貧すれば鈍する――とはよく言ったもの。
最近、利にさとい社労士たちが、急増するうつ病患者をターゲットとし、「障害厚生年金2級」資格を得て年間200万円近くの年金を得るよう手続きし、手数料としてその10~15%を要求する新ビジネスも盛んになってきました。あるいは障害年金を受け取る方法をディスクに焼いた情報商材を売る社労士もいます。
もちろん中には障害厚生年金を受け取るべき深刻な病気の人を、手助けする社労士もいます。しかし、ある精神科医は「最近、明らかに社労士が糸を引いた障害年金受給目当てのニセうつ病患者が増えた」と言います。実際、ある社労士は「たいしたうつ症状でもない人に、『障害年金2級』受給資格を得ることができるよう手続きし、相談者はサッカー観戦、自分は金儲けという社労士がいる」と証言してくれました。
そしてついに、最近、親しい社労士によると、「サムラゴウチ社労士」が現れたと言うのです。
「なんと、およそうつ病とは思えないほど精力的なある社労士が、障害者手帳や障害年金をもらっちゃっているのです。なにせ、彼らは日頃からどんな薬を処方されると障害年金をもらえるかなど、日夜研究しています。表向きは健全なNPOと見せて、実は社労士がそんな指南をしている団体も結構あるのです」(都内開業社労士)。
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