つまり、高度成長期以来、日本人はハンバーグが大好きになっていて、もはや国民食になっているのである。
しかし、内食化を高める今日の消費環境において本当に繁盛するのだろうか?
■家庭での調理が難しいハンバーグ
実は、みんなが大好きなハンバーグには、大きなニーズギャップが存在するのである。Googleで「ハンバーグ 難しい」と検索してみよう。約71万2000 件がヒットする。「焼き方が難しい」とするBlogのエントリや掲示板のコメントがズラリと並ぶ。そうなのだ。ハンバーグは外側をこんがり、中をジューシーに焼き上げるのは意外と難しい。中途半端な加熱だと、中の肉がまだ赤いままになってしまう。
国立情報学研究所のデータベースにある論文「ハンバーグステーキ焼成時の内部温度 : 腸管出血性大腸菌O157に関連して(第4報) : 一般家庭におけるハンバーグステーキの焼成方法に関する実態調査」によれば、多くの家庭での調理方法では加熱不十分で危険な状態であると指摘している。
かといって、これでもかと加熱してはポロポロのパサパサでジューシーのかけらもなくなってしまう。
その解決策として急速に普及しているのが「煮込みハンバーグ」のソースである。
オリコンの記事『「料理の腕をカバーできる」煮込みハンバーグの市場拡大』を見てみよう。
ソースメーカーのハインツによれば、「市販の焼きハンバーグ用ソースが縮小するのに対し、煮込みハンバーグソース市場は前年比113%と大幅な拡大傾向にある」状態だという。その理由として、同社の調査によると焼きハンバーグの調理を不安に思っている主婦は多く、「生焼けになりにくい」、「焦がしにくい」という理由から煮込みハンバーグを選ぶ人が増えていると分析している。
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