16年ぶりの改定で「養育費」はどう変わったのか 不払いの「養育費の回収」もしやすくなった

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一方、早く離婚をしたい一心で、または離婚に伴う条件交渉の一環で、「養育費はもらわない、請求しない」という合意(以下、これを「養育費不払合意」という)をしたが、実際に離婚をした後の生活が大変、というケースを耳にすることがある。

父母間で、養育費不払合意をした場合、この合意は原則として有効だ。しかし、例外として、「子の利益に反するなどの特段の事情」がある場合には、無効となることもある。過去に無効とされた裁判例としては、「合意をした時点では養育費を払う立場にあった父親が無職だったが、その後就職して収入を得た場合」、「監護する親の収入状況・財産状況に変更が生じた(当該状況が悪化した)場合」といったケースがある。

ただし、父母間の養育費不払合意が無効にならないようなケースだとしても、養育費をあきらめるのはまだ早い。

あくまでも、養育費不払合意は、父母間のもの。子どもは、子ども自身の権利として、親に対し、扶養料の請求をすることができる。この扶養料の請求は「子どもと親の問題」であり、父母間の養育費不払合意があったからといって、子どもの親に対する扶養料の請求ができなくなる、ということにはならないのだ(ただし、父母間に養育費不払合意がある場合は、子どもの親に対する扶養料の額を決める際に、1つの事情として考慮されることがある)。

法律改正により、養育費の回収がしやすくなる

養育費を父母間の合意や裁判所の手続きを経て取り決めても、支払う側が行方不明になったり不払いを続けたりするという対応が多く、ひとり親家庭の経済状況を悪化させているとして問題となっていた。

だが、2019年5月10日、改正民事執行法が成立し、元配偶者の財産差し押さえをしやすくなった(この法律が実際に適用されるのは、2020年4月1日から)。

現在の民事執行法では、養育費を不払いしている元配偶者の預貯金や給与を差し押さえるためには、自力で、元配偶者の口座がある金融機関の支店名や勤務先を特定する必要があったが、元配偶者が離婚当時の会社を辞めたり、結婚していた頃の金融機関口座を変更したりしてしまうと、このような情報を入手することは難しかった。

しかし、改正後の民事執行法では、強制執行を認める内容を含む公正証書や、確定判決(取消しのできなくなった判決)などに基づいて裁判所に申し立てをすれば、元配偶者の勤務先の情報や預貯金の口座情報を、市町村や金融機関から取得することができるようになったのだ。

これまで養育費の不払いをしてきた人、養育費不払いに甘んじてきた人、共に、今回の法改正を契機に、養育費問題に今一度向き合ってもらいたい。

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