新型コロナの影響で「外出を控える人」の盲点 過食と体重の増加は「冬季うつ」かもしれない

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しかし、この状況に加え、花粉の飛散も気になり、外出を控えてしまいがち。そんなときにお勧めなのが料理です。

食べることは毎日のことなので、身近にトライできるのがポイントです。今は、ネットで簡単な調理法が動画でたくさん見られますので、まずは、ネット動画などを見て、「これおいしそう!」「これなら作れるかも」を原動力にしてみましょう。

料理は、触覚、味覚、嗅覚など五感をすべて使うので、よい刺激を脳に与えてくれます。

実際に、今まで食事のほとんどをコンビニで済ませてしまっていたという1人暮らしの方が、自炊を少しするようになってから、うつ傾向の回復が早まるというケースは結構ありますし、男女問わず、それまであまり料理をしたこともなかった人が凝りはじめて趣味になり、性格や雰囲気すら変わってしまうこともあります。

また、炭水化物に偏りがちな食生活を見直し、バランスよく食べるという習慣にもつながりやすいので、よい生活環境への相乗効果があります。

家族や身近な人との会話を大切に

脳によい刺激を与えるということでは、人と話すことも大切です。気持ちや出来事を言葉に出して会話するということで心の浄化作用(カタルシス効果)が得られるなどの気持ちの整理につながります。

イベントや会合が軒並みキャンセルになったり、できるだけ人と関わらないようにすることで、いわゆる“引きこもり状態”になることも懸念されます。それが症状を悪化させることにもつながりかねないので、家族や身近な人との会話を大切にしてください。

人込みや不必要な接触は避けていきたいところですが、電話やネットを通じてのやり取りは十分に可能かと思います。

また、気持ちのコントロールに大きな影響を及ぼすホルモンの一種、セロトニンを生成するためには、1日20~30分の軽い運動が必要と言われています。自宅でできるストレッチや近所への買い物や散歩などもうまく取り入れながら体を動かすことも大切です。

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冬季うつは、多くの場合、4月頃までには症状が解消されます。しかし今年は懸念材料がそろっているので、積極的に精神的なコンディションを高められるよう工夫することをお勧めします。気分が落ちたまま、年度替わりを迎え、3~4月の人事異動、転勤(卒業、入学も)などのライフイベントを迎えると症状が長引きやすく、次の5月病に移行してしまうかもしれません。

花粉の季節到来で、ただでさえも心身の不調が見られる時期かと思いますが、生活スタイルを見直し、心身の状態を良好に保つことが、ウイルスなどへの予防にもつながると思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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