これからの数週間で製造業が正常化するかどうかはまだ不確定だ。財新記者は多くのアナリストを取材した。そのうち楽観派は、湖北省以外の地域では、2月末に操業再開率は8割以上に達するだろうと予測している。悲観派は、3月末になってやっと8割以上に達し、フル稼働は4月か5月ごろだろうと見る。
操業再開にまず必要なのは人だ。各地に分散している従業員をもう一度集めなければならない。復帰を促すため、ホンハイの鄭州工場は予定通りに復帰した従業員に3000元(5万円弱)の手当を出すことにした。
復帰ボーナスの金額で競い合う大手2社
だが、この施策も特別な魅力があるとはいえない。
仁宝電脳(コンパル・エレクトロニクス)の重慶工場が打ち出した施策は、段階的に約4500元(7万円強)のボーナスを出すというものだ。さらに、春節前に離職した従業員が復帰した場合、勤続年数を離職前から継続して計算するという。
そこでホンハイの鄭州工場はすぐに、職場復帰のボーナスを5250元(8万円強)に増額した。
「どちらも世界的なEMS工場だ。品質の差も大きくない。すばやく人手を集め、オーダーをよりうまくさばける企業が、顧客から引き続き注文を勝ち取ることができる」。あるEMS工場の関係者はそう語る。
人を奪い合って操業再開することは、このフェーズにおいてまた別の意義を持つのだ。
※敬称略、『財新週刊』2020年2月24日発売号より抄訳
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