炭酸水ウィルキンソンがここへ来て大人気の訳 冬も好まれる爽快感、誕生100年超えモテ期に
飲料も瞬間での爽快感を好む人が目立つ。ただし、その日の気分によるだろう。寒い日の外出先から職場に戻ったときは、温かいドリンクで癒やしたい人も多い。それでも炭酸水ですっきりしたい人は増え、気分転換にはエネルギーチャージの意味合いもある。
「ウィルキンソンは、強炭酸を打ち出す一方で、ガス圧がどれぐらいといった数値面での訴求はしません。それは商品設計の裏側の話で、あくまでも味わったときの感覚を楽しんでいただきたいのです」(同)
外食では「別のすっきり感」も
外食における炭酸水は、とくにハイボールやサワーとの親和性が高い。
乾杯時に「とりあえずビール」ではなく、最初から好きなドリンクを注文する時代だ。料理に合うドリンクも、その日の気分で感覚的に選ぶ人が増えた。
例えば、20代の女性会社員3人と「火鍋会食」をした際、参加者の1人はこう話した。
「私は、火鍋と一緒に飲むドリンクは、ビールやレモンサワーのようなものがいいですね。鍋の辛味とは別の爽快感を楽しみたいです」
東北地方の海鮮居酒屋では、同行の編集者(20代)は、刺身の後、鶏の唐揚げとハイボールを頼んだ。「今日は肉と炭酸も楽しみたい日」だったという。
2008年からウィルキンソンの売り上げが伸びたのは、酒類で競合するサントリーが仕掛けた“ハイボール復活劇”に乗った一面もある。筆者も当時、関係者に何度か話を聞いた。
一連の取材では、「先進国はアルコール度数の高い酒ははやらないが、割って薄めれば度数も下がり、飲みやすさとともに健康を気にする中高年の嗜好にも合う」という話も聞いた。以来10年たつが、健康意識は世代を超えてきた。
最近目立つのが、外食で「がっつり食べる背徳感」を、無意識のうちに調整する消費者が増えたことだ。これも女性に目立つ。例えば、ファミレスで200グラムを超えるステーキを注文(完食)する女性客の中には、ライスやパンを注文しない人がいるという。
料理やサラダバーが食べ放題の別のチェーン店では、たっぷりの量を盛り合わせるが、「野菜をこれだけとったので免罪符」と思う人が多いそうだ。その意識は、ドリンク選びに炭酸水の入ったハイボールを選ぶのにも共通している。いわば「背徳感の打ち消し」だ。
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