コンビニコーヒー飲む人が超激増した根本原因 「40年前からコーヒー販売」していた衝撃事実

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コンビニカフェの特徴は、コンビニで購買されるすべてのフードと相性がよいことだ。クセがなく、すっきりとした味わいに仕上げている。スイーツも絡めて、午後から夕方にかけてのカフェタイムといった新たな利用動機を生んでいく。

『コンビニチェーン進化史』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

オフィス立地であれば、出勤前とランチの需要を集中的に取り込んできたコンビニであるが、それに加えてランチ後から夕方にかけて、カフェ需要の創出にも力を入れ始めている。

一時期、カウンターに什器を設置したドーナツは、狙いとしてはカフェ需要の「ど真ん中」であったが、肝心のドーナツ自体の市場規模が小さく、底上げを図るには至らないまま姿を消している。

今後は、コンビニカフェと相性のよいカテゴリーの創出が待たれる。

40年前にコーヒーはすでに販売されていた

セブン‐イレブンで商品本部長の経験もあるコンサルタントの池田勝彦によれば、カウンターで販売するコーヒー自体は、彼が入社した1977年の時点ですでに展開していた。そのころはカウンター内でドリップしていたが、ドリップ後2時間までは構わずに提供していたので、おいしくなかった。その後、何年かは続けていたが、やがて売れなくなり、その方式はやめてしまった。

その後も、コーヒーマシンを導入するなど、カウンターコーヒー自体は連綿と続けてきた。それがなぜ、2013年のセブンカフェが突然売れるようになったのか。池田は、コンビニコーヒーの成功について次のように考えている。

味が差別化されているのはもちろんのこと、いろいろと販売方法も改善努力がされてきたことだ。マシンから挽きたて豆の香りが立ち上がったり、出来上がるまで閉まったままのガラス扉があったり、改善が施されてきた。いちばん大きかった要因は100円に抑えた売価設定である。これらが奏功して、コーヒーはセブン‐イレブンの来店目的のいちばん大きな要因の主力カテゴリーになっている。
(『月刊コンビニ』2017年1月号)

こうして切り口を変えて導入することにより、今までの日常生活の中で、購入してこなかった高齢者や、女性の購入者も増加して、レギュラーコーヒーの客層が拡大し、自宅やオフィスでコンビニコーヒーが飲まれるようになった。レギュラーコーヒーの「買われ方」が変わったのだ。コンビニが目指す需要創造の近年の成功例である。

梅澤 聡 エディター(外部食研究家)
うめざわ さとし / Satoshi Umezawa

大学卒業後、西武百貨店に入社、ロフト業態の立ち上げに参加。その後、商業界に入社、月刊『コンビニ』、月刊『飲食店経営』の編集長を歴任し、2015年よりフリーランス。中食市場が拡大する現況下、コンビニの中食、それに飲食店の外食を結び付けた「外部食」を1つの市場と捉え、スーパーマーケットの「内食」に対して「外部食」のマーケットとマネジメントをテーマに執筆・編集を続けている。

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