最後のセンター試験で各大学の志願者数に明暗 東大や京大など難関国立大も志願者数は減少

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さらに、教育学部に限れば、昨年は教員同士のいじめが報じられ、部活動や休日出勤など時間外勤務が常態化した労働環境が問題視されていることも志願状況に響いたと思われる。

前年比92%と文系の人気の陰りもみられた。その要因を石原さんは次のように分析する。

「今年で東京オリンピック・パラリンピックが終わる。以降は経済の見通しが暗くなると思われて経済学部は人気が落ちています。経営・商、国際系の人気は、今年は落ち着いたとみられます」

これに対し、前年比99%とほぼ横ばいで堅調なのは理工系だ。人気の筆頭はAIやデータサイエンス、IoTなどの情報系。成長分野に受験生が集まったといえそうだ。

(左)国公立・日程別志願者数/国公立大・学部系統別志願状況(図:AERA.dot/週刊朝日2020年2月21日号より)

難関国立大は、ほとんどの大学で志願者数が減少

次に、個別の大学の志願状況をみていこう。まずは、東大、京大、旧帝大などの難関国立大から。志願者数は、ほとんどの大学で減少していた。

「受験生は来年への不安感が募り、難関大を敬遠して弱気含みの出願になったと思われます」(石原さん)

難関国立大志願者数(図:AERA.dot/週刊朝日2020年2月21日号より)
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