不倫がこんなにも世の中の関心事になる理由 週刊誌、ドラマ、ネット…止まらない連鎖

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「社会的に禁じられている」の次に人々が引かれる理由となっているのは、不倫は必ず三角関係になること。元凶である既婚者、その配偶者、不倫相手の三角関係が明確であり、しかも加害者と被害者の明暗がはっきり分かれるため、本人たちだけでなく赤の他人を巻き込んで「ああだこうだ」という意見が飛び交いやすいのです。

相関図をイメージすると、三角関係は三者それぞれの立場から語れるため議論が活発になりやすい一方、1対1の恋愛・結婚ではそれほど盛り上がりません。

長いコンサル経験の中で1度だけ、「不倫当事者の3人と会って話を聞く」という機会がありました。

まず妻子のいる30代後半の男性は「不倫相手のことを本気で好きになってしまった。でも家族とは別れられないし、できればどちらとも決着をつけたくないと思ってしまう」、次に30代後半の妻は「浮気は許せないけど、それだけで別れるかというと話は別。私は被害者だから相手の女性からできるだけ慰謝料を取りたい」。

最後に20代後半の不倫相手は「いけないことをしたのはわかっているけど、彼とは別れられないので、できれば奥さんとうまく別れてほしい」と、それぞれ本音を語りました。

発覚後も身勝手な感覚は改まらず

少し補足をしておくと、このコンサルは「穏便な解決につなげるため」という前提のものであり、3人とも常識的な感覚を持った人物でした。しかし、男性と不倫相手は、不倫そのものが自分本位の行為であるにもかかわらず、発覚後もその身勝手な感覚を改められなかったのです。

このような身勝手さは彼らだけでなく、不倫をする男女によく見られる傾向であり、日ごろ会社や学校、家族や地域の中では見せない別の顔。そんな身勝手な別の顔を知った人々は、批判したくなったり、軽蔑の目で見たりなど、過剰反応してしまうのです。

上記は実話ですが、これを週刊誌で記事化しても、テレビドラマ化しても、彼らの三角関係は、それなりに見る人の関心を引くものになるでしょう。それは「妻が正義で、夫と不倫相手は悪」という図式で勧善懲悪のストーリーを作り上げることが容易であり、見る人の関心を引き出しやすいからなのです。

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