「3歳までに1万回読み聞かせ」をした母の覚悟 東大理Ⅲに4人合格!誰でもできる幼児教育

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例えば、顧客に「これをして」と言われたとき、「ちょっと待って」とか「疲れているので、明日」と言ったら、もう二度とあなたの会社には来ないでしょう。疲れていてもするのが当たり前だし、時間がきたのに待たせることはしないですよね。

育児を1つの仕事だと考えると、甘えが出なくなります。家の中では、物事が少しくらい遅れようが、会社とは違って誰からも非難されないので、ついその状況に甘えてしまうのですね。自分はお母さんだから、「ちょっと待って」と言ってもまた子どもは来るだろうと思うのです。

でも、それは会社が顧客の信頼を失うのと同じで、子どものお母さんに対する信頼も薄れていきます。「10冊読んであげるよ」と言ったときには、子どもとの約束を守り、必ず10冊読んでください。それは、お母さんの〈仕事〉なのですから、当然のことです。賢い子どもに育てようと思ったら、仕事と同じで手を抜いてはいけません。無理のない範囲で、数や時間のノルマを決めて、しっかりと達成してください。

初めての子どものときは、母親も父親も初心者なので、赤ちゃんにどのように接したらいいのか戸惑うことが多いものです。

私も長男のときは、1日の過ごし方がわからずに、生後半年くらいまでは毎日右往左往していて、夜寝るときには今日は私と子どもにとって、いい過ごし方をできたのかなと、迷い、不安、後悔、反省のような気持ちが頭の中をぐるぐる回っていることがありました。

でも、童謡を歌い、絵本を読むようになって、食べて寝てお風呂に入ってという日常生活レベルだけではなくて、1日をちょっと前向きに過ごせたと感じられるようになりました。夜寝るときに、今日も1日、絵本と童謡のノルマは果たせたと思うと、何だか心安らかに寝られるようになりましたね。

子どもの世話が大変で、それを仕事と割り切っても、やはり大人として、前向きに生きたと思いたいのだな、と実感しました。

それに絵本はハッピーエンドが多いため、育児と家事で疲れてイライラするお母さんの気持ちを落ち着かせてくれる、かなり便利なアイテムだと思います。

自分だけがつらいと思わない

働きながら子育てをしているお母さんは、忙しくて疲れると思いますが、専業主婦も育児と家事などが忙しくて疲れています。どちらが疲れているかなどという不毛な比較はやめましょう。

子育てに〈比較〉は禁物です。比べ始めたらキリがありません。人間は自分が一番大変だと思いたいものらしいです。でも、他人のことは何もわかりません。自分の生活だけをしっかり見据えて、自分の時間をコントロールするしかありません。絵本や童謡を、と思ったら、やはり、子どものために、ひたすら読んで歌うのです。

外で働いていると、お母さんは帰宅したら少しゆっくりしたいかもしれません。まず、着替えて、コーヒーかお茶でも飲みながら一息入れたいでしょう。そのコーヒータイムに、絵本の読み聞かせをしたり、童謡を歌ったりしてみてはいかがでしょうか。

子どもが3歳になるまでは、自分のやりたいことをちょっと我慢して、子どもが寝るまでの間に30分でいいから、絵本を読んであげてほしいのです。子どもは、お母さんが読んでくれるのを待っていますよ。

何かやりたいことがあれば、お子さんが寝てからすることにしませんか。

佐藤 亮子 「東大理Ⅲに合格した3男1女」の母

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さとう りょうこ / Ryoko Sato

大分県出身。津田塾大学卒業。大分県内の私立高校で英語教師として勤務。結婚後、夫の勤務先の奈良県に移り、専業主婦に。長男、次男、三男、長女の4人の子どもを育てる。長男、次男、三男は灘中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。長女は洛南中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。現在、長男、次男、三男は医師として活躍。長女は東大医学部の学生。その育児法、教育法に注目が集まり、全国で講演を行う。『頭のいい子に育てる 3歳までに絶対やるべき幼児教育』(東洋経済新報社)ほか著書多数。

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