「3歳までに1万回読み聞かせ」をした母の覚悟 東大理Ⅲに4人合格!誰でもできる幼児教育

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童謡も絵本ももともと大事だと思っていたこともあって、「なるほど、1万か」と納得し、目標を数字で具体的にするのは、いいアイデアだと思いました。早速、家に帰って実行しようと思いましたね。

実は、そのスローガンには「うた200」とあったのですが、読み聞かせの「1万」という数字のほうに先に目が行ったので、童謡も1万曲だと思いこんでしまいました。数年後に自分の間違いを知りましたが、もう1万曲を目指していたので、「まあ、いいや。多すぎるのは、問題はないだろう」と気楽に考えることにしました。

そしてコツコツと毎日読み聞かせを続け、1万冊を達成したのは、長男の3歳の誕生日の前日でした。記念すべき1万1冊目の本を読むのは主人に譲ることにし、読んでもらいました。

もちろん、1万回を境にガラッと何かが目に見えて変わるわけではありません。ですが、絵本と童謡の1万回は、子どもたちの言葉や感性などを育てる基礎になったと確信しています。

人間を賢くするのは、ちょっとやそっとのことでは、できない。やはり驚くような回数を重ねてやっとほんの少し進歩するのだと身にしみた〈1万〉という数字でした。その考え方は、後々の受験勉強につながる基本的姿勢になりました。

1日10曲、10冊でクリアできる

3歳までに絵本を1万回読み、童謡を1万回聞かせるのは簡単なことではありません。無計画にやっていては達成できません。しかし、覚悟を決め、計画を立てれば、不可能なことではありません。私がどのようにして達成したかをご紹介しましょう。

まず、目標が決まったら、やりたい量を使える日数で割る日割り計算をすることです。長男のときは、絵本と童謡をそれぞれ1万と決めたのが生後半年のときだったので「3歳までの2年半に1万曲、1万冊」ですから、最初のうちは「1日15曲、15冊」と決めました。次男からは生まれたときから始めることにしたので、1日10冊と10曲になりました。

1日に絵本を10〜15冊、童謡も10〜15曲というと、「え〜、そんなに読んだり歌ったりするのは大変そう」と驚かれる方が多いですね。でも、大人の本を1日に10冊読むのとはまったく違い、絵本は1冊が数分しかかからないものも多いので、ほとんど苦労することなくクリアできます。

それでも、疲れているときとか、忙しいときは、0歳児向けのほとんど字のない絵本を見せて、適当に話をして、冊数を稼いでいました。1万冊を達成するには、かなりのんびりと構えることもコツです。

なんと言っても、3年計画なのですから、ゆるく、きっちり、ちょっといい加減に、たまに真面目に、増える冊数の数字を楽しみにして、ゲーム感覚で捉えるといいでしょう。

月齢が上がるにつれて、少しずつ文章が長くなりますが、ほとんど字のない絵本を何冊か入れておくと、読むほうもホッと一息つけます。眉間にシワを寄せて読むのは間違いだし、子どももそんなお母さんは見たくありません。楽しく気楽に読み続けることですね。

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