新型肺炎が日系車メーカーに与える2つの懸念

数多くの自動車関連企業が集まる武漢市

湖北省の都市封鎖による効果が予測通りに出れば、現地における新型肺炎の流行は今年2月中にピークとなり、3月中には終息するだろうと中国疾病予防抑制中心の曾光(首席科学家)氏は指摘する。

一方で、新型肺炎は現在中国全土で流行し、2次・3次感染やウイルスの変異でさらに拡散するリスクも存在する(国家衛生健康委員会の李斌副主任)。仮に流行が長期化すると、実体経済や企業経営に大きな影響を与える。都市封鎖は新型肺炎の早期終息を期待させるものではあるが、そこには期待と同時に2つの影響が懸念される。

フル稼働は3月末の可能性も

1つ目は、湖北省武漢市の自動車生産への影響だ。春節休暇明けから企業が操業再開する予定だが、自動車サプライヤーが集積している広東省、江蘇省、上海市などは、企業の操業再開日を1週間遅れの2月10日とし、湖北省の操業再開日はさらに遅れる。

昨年の生産台数で日系乗用車メーカー首位の東風日産が、湖北省襄陽工場(年産能力25万台)でインフィニティ、ティアナ、エクストレイルなどを生産し、武漢の新エネルギー車工場は今年8月以降稼働予定だ。

また日系乗用車メーカー販売台数第2位に躍進した東風ホンダは、武漢で3つの工場を設けている(年産能力63万台)。中国市場で好評を得たシビック、CR-Vの貢献により、東風ホンダの販売台数は2019年に史上最高の78万台、武漢工場の稼働率も125%に達した。昨年の販売実績で計算すると、東風ホンダの純利益は月間平均約150億円に上った(東風汽車の発表)。

しかし、足元の状況を勘案すれば、湖北省における自動車メーカーのフル稼働は3月末になる可能性があり、そうなると、少なからず今年のホンダと日産の生産・販売計画に暗い影を落とすことになり、夏から一層生産強化する必要があるだろう。

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