中国東西南北の交通の要衝である武漢市は、中部地域の最大の工業都市として分厚い産業基盤を擁している。2013年以降、武漢市政府が打ち出した「中国車都(自動車シティ)」計画に応じて、完成車メーカーが相次いで生産能力を拡大した。
現在武漢には、中国大手国有自動車メーカーの東風汽車本社をはじめ、東風ホンダ、東風日産、神龍汽車(東風とPSAの合弁)、東風ルノー、GM武漢工場など、完成車メーカー22社、部品メーカー約400社が立地している。
また武漢に近隣する十堰、襄陽、孝感、荊州には、多数の部品メーカーが集積し、現地の自動車生産を支えている。湖北省の自動車生産台数は2019年に224万台、広東省、吉林省、上海市に次ぐ国内第4位の自動車生産地となっている。
武漢市には約200社の日系企業が進出
日系自動車関連メーカーの武漢進出に関しては、日産とホンダが2003年にそれぞれ東風汽車有限公司(2006年に武漢へ移転)、東風ホンダ汽車(武漢)有限公司を設立し、その後、多くの日系の部品メーカーが後を追い、武漢および周辺地域に拠点を設けている。
帝国データバンクによると、武漢市には日系企業199社が進出し、そのうち製造業が最も多く92社となっている。武漢市複数の経済技術開発区の企業データや武漢日本商工会の会員情報を照らし合わせると、現在武漢及び周辺地域には、設備・物流、部品・部材販社を含む日系の自動車関連企業は100社規模となっている。
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