「おやつのサブスク」がママ世代に人気の理由

「スナックミー」が口コミ効果で業界に浸透

「お菓子業界」とひとくくりにするとレッドオーシャンに思えるが、当時、彼らの求める「安心して食べられるお菓子を手軽に手に入れることができるサービス」は国内に存在していなかった。一方で、海外では当時すでに体に優しいおやつが自宅に定期的に届く『NATUREBOX』(アメリカ)や『GRAZE』(イギリス) が流行の兆しを見せていたこともあり、国内にもそうしたニーズがある確信を持つことができたという。

といっても当然、スナックミーはただ海外事例をまねしてできたわけではなく、国内のユーザーにおやつを届けるために考案された独自のサービスだ。企画開発にあたっては、まず「自分たちの悩みを深堀りすること」から始めた。

三好隼人さん(写真:『エンジニアtype』編集部)

「新しいサービスを作るときはよく『ペルソナを考えよう』と言いますが、ペルソナってあくまで想像にすぎないですよね。だから僕たちは、僕らが本当に欲しいと思えるサービスを突き詰めることにしました。同じようなことに悩んでいる人はきっと何百人、何千人といるはずですから。

例えば『子どもに安心して食べさせられる』以外にも、『自分自身が罪悪感を抱かずに食べられること』は大事なポイントでした。僕らはもともと全員お菓子を食べることが大好きなのですが、コンビニのスナックではどうしても健康面が気になって、頻繁には食べられなかったので(笑)

あと、もう1つ大切にしていたのは“ワクワク感”です。僕らはお菓子を“モノ”、おやつを“体験”という表現で切り分けていて、箱を開けたときにただ予想どおりのお菓子が並んでいるだけではなく、『見たことないけど美味しそう!』とか『1番好きなおやつが入ってる!』といった“ココロを満たすおやつ体験”を届けられたらなと。そういった軸で話し合いを重ねました」

その結果、スナックミーのコンセプトが、「体に優しく食べても罪悪感のない、“ギルトフリー”のおやつ」と「ユーザーとおやつのマッチング」の2つに固まった。それからは提供するおやつのラインナップを決め、ユーザーのリアクションを探りながらサービスをブラッシュアップしていくことになる。

「使いやすさ」はアクションを促す第一歩

次に注力したのは、システム周りを整えること。オンライン型のサブスクリプションサービスとなれば当然ながら、決済機能や管理画面などのシステムは必須のうえ、サービスの特性上、ユーザーの評価を蓄積・分析する機能や、ユーザーの好みとおやつの相性をマッチングするAIの構築も必要だった。

しかし三好さんは、スナックミーを創業するほんの1年半まで、プログラミング経験はゼロ。最低限の機能は開発できたものの、AI開発どころかUI/UXの配慮もなかなか理想までには至らなかったと、当時を振り返る。

「スタート当初は本当に日々綱渡り状態で、使いやすさやデザインにこだわる余裕もなく『必要なときに、必要な機能を最短で作る』という感覚でした。決済機能ができたら、商品がユーザーに届くまでに管理画面や評価機能、ダッシュボードを作って……というように、ユーザーと並走して開発を進めていましたね。

ユーザーとおやつのマッチングや各BOXに入れる商品の選定、注文番号の管理などは、今でこそAIでほぼ自動で行っていますが、最初はすべて手作業で行っていたんですよ」

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