「大暖冬で雪が足りない」の先にある大きな心配 この夏の東京五輪で水不足に陥るかもしれない

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また、雪を使ったイベントにも深刻な問題です。

昨年のさっぽろ雪まつり(撮影:久保井朝美)

北海道札幌市の「さっぽろ雪まつり」は人気の雪でできたすべり台チューブスライダーの規模を縮小することになり、「札幌国際スキーマラソン」は雪が少ないため安全に行うことができないという理由で中止されました。

秋田県横手市の「横手の雪まつり」は、かまくらの数を減らして実施はするものの、ミニかまくらなど一部は積雪不足で制作不能となる可能性もあり、今後検討するそうです。

長野県安曇野市(撮影:久保井朝美)

1月23日の長野県安曇野市豊科の写真です。

この時期は、道路の脇には除雪された雪が積まれ、山は雪で白くなっているはずですが、どこにも雪が見られませんでした。山にかかっている白いものは、雲です。

地元の人に伺うと、「今年はほうきで払うくらいの雪は降ったものの、うちの周りでは例年のような雪かきが必要な積雪にはなっていません」とお話されていました。

暖冬の影響で観光客が減少する観光地も

豊科は冬になると白鳥が飛来し、白鳥観察の名所になっていますが、暖冬の影響で今シーズンは白鳥の飛来数が少なく、観光客が減少しているそうです。

他にも、暖冬により冬眠しない熊が山を下りてきたり、例年より早く梅や菜の花が開花したりしています。花粉症の方の中には、いつもより早く花粉の飛び始めを感じている人もいるようです。

農作物がよく育つことで野菜の価格は下落したり、育ちすぎて規格外になってしまったり、農業に与える影響も大きいです。

気象庁は、2月も日本海側の降雪量は平年より少ないと予想しています。

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