「ハスラー」「タフト」がライバルといえない理由 異なる狙いで開発されたそれぞれの特徴とは

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小型で軽量の軽自動車であれば、ガラスルーフの走りへの影響が大きいのは、当然のことだ。タフトがガラスルーフを標準装備するかは「未定」(ダイハツ関係者)というが、広報資料でもガラスルーフを強調しているところを見ると、オプションなどなんらかの形で装着できるのだろう。やはりタフトは、オシャレでファッショナブルな商品なのだ。

またダイハツ関係者は、ファミリー向けのハスラーに対して、「タフトは前席に乗る人(1人、または2人)を重視したクルマ」(同)と打ち明ける。つまり、ダイハツはタフトを“ハスラーのガチンコライバル”とは見ていないのだ。

テリオスキッドのような新型車を開発中か?

それよりも、ダイハツにとってタフトとは、トヨタグループ内でのクロスオーバーSUVラインアップのポジショニングのほうが重要なのではないだろうか。

Cセグメント(中型車)のトヨタ新型「RAV4」、Bセグメント(小型車)のトヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」、そしてAセグメント(軽)のタフトとトヨタ向け兄弟車というポートフォリオである。こうした縦のラインの重要度が、ハスラーのような他社の個別モデルへの対応よりも上位にあるのだと思う。 

「テリオスキッド」はダイハツが1998~2012年に生産していた軽自動車SUV(写真:ダイハツ)

そうなると、気になるのが“ジムニー寄り”の軽SUVの存在だ。これについて、筆者も各種執筆している自動車専門雑誌『ベストカー』では、2020年1月上旬に独自スクープとして、2021年12月に「テリオスキッド」のようなFR四駆の登場を予測している。

時期や技術的な構成の真偽はともかく、現時点でタフトの商品性を見る限り、この話は十分にありうるだろう。さらには、ホンダ「Nシリーズ」の派生車がハスラーやタフトの対抗馬となることも当然、考えられる。2020年代前半は、軽クロスオーバーSUV戦国時代になりそうだ。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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