「ハスラー」「タフト」がライバルといえない理由 異なる狙いで開発されたそれぞれの特徴とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

新型ハスラーの開発統括者は「初代で大きく2回、各部のブッシュ(連結部のゴム)などを改良して乗り心地の改良に臨んだが、問題は車体そのものにあり、効果は限定的だった。今回、車体を刷新したことで、乗り心地とハンドリングの向上にしっかりつながった」と、開発の経緯と成果を説明する。

本稿執筆時点(2020年1月中旬)で、新型ハスラーのメディア向け試乗会は行われておらず、初代と2代目のハスラー、筆者が個人所有する新型ジムニーとを乗り比べた印象については、別の機会に紹介したい。

タフトを象徴するガラスルーフ

2020年1月10日、「東京オートサロン2020」開催初日、ダイハツブースで「TAFTコンセプト(以下、タフト)」の実車を確認した。コンセプトモデルとはいえ、発売まで半年を切っており、ほぼ量産車の状態だ。

「東京オートサロン2020」で公開された「TAFTコンセプト」(筆者撮影)

タフトは、2019年にフルモデルチェンジした「タント」から採用している新型プラットフォーム「DNGA」を採用。全長と全幅はタントと同値で、全高はタントより25mm低い。コンセプトモデルは2WDのターボ車だったが、量産型ではタントと同じく4WDやノンターボのグレードがあってもおかしくはない。

写真で見ると、タフトはハスラーに比べて“ジムニー寄り”のタフな商品イメージがあるが、実車を見た印象はその逆で、かなりファッショナブルなアイテムだと感じた。そうしたダイハツの意向を象徴するのが、ガラスルーフの存在だ。

「TAFTコンセプト」に装着されていたガラスルーフ(筆者撮影)

ガラスルーフは、閉じた状態でも車内空間が開放的に感じることができるとして、1990年代から2000年代にかけて、欧米や日本車で採用するモデルが増えた。ボディ剛性とガラスの強度を高める技術開発が進む中、前席から後席までの天井のほとんどをガラスルーフ化する高級車も登場した。

だが、2010年代以降はトレンドではなくなり、近年ではCセグメント(日本での中型車)以下ではオプション設定もないクルマが増えた。

その理由について、近年ガラスルーフをオプション設定している国内高級ブランド車の開発責任者は「高い位置に重量物を持てば当然、走りに影響が出る。正直なところ採用したくなかった」と本音を漏らす。

次ページライバル視はしていない?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事