堺ビッグボーイズの瀬野竜之介は語る。「うちの指導のやり方などを周辺のチームの指導者に話すのですが“瀬野さんところはいいよ、自前のグラウンドもあるし、筒香選手も来るし”と言われます。そういう部分だけではなくて、指導の仕方や考え方を参考にしてほしいんですけどね」
「野球離れ」は、他のスポーツとの競合の激化や、野球あそびをする環境がなくなるなど、複合的な要因によって進行している。
しかし、堺ビッグボーイズの選手数の急増は、今の時代に適合した新しい指導法をすれば、まだまだ子供世代の野球への潜在的ニーズはある、ということを物語っている。
少年野球指導者の新たな指標
2019年12月15日、東京都内で少年野球チームを対象とした「エニタイムフィットネスPresentsベストコーチングアワード2019」という賞の表彰式が行われた。
選考基準として以下の3点が挙げられている。
●学ぶ意識が高く情報をアップデートして指導に取り組める指導者
●長い将来の目標と怪我をさせない、未然に防ぐ知識を持って指導を実施できる指導者
主催はこのコラムでも紹介した一般社団法人スポーツメディカルコンプライアンス協会。この協会に参画している元ロッテの野球指導者、荻野忠寛も選考に参加した。
第1回のアワードは41チームが受賞した。その中には、堺ビッグボーイズも入っていたが、地方の小さな少年野球チームも入っていた。
これまで「少年野球」は「全国大会で活躍できるか?」「甲子園球児やプロ野球選手をどれだけ輩出できるか?」が評価の基準だったが、今後は「指導者が子供のことを第一に考えているか?」「子供の未来に役立つ指導を行っているか?」が、新たな指標になる可能性がある。
「野球離れ」をめぐる状況は、新たなフェーズに入ろうとしているのだ。
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