2020年の株式相場をリードするテーマは何か 世界規模の経済波及効果1300兆円が動き出す

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競争力を測るにあたっては利益率が参考になるが、主要企業の今期予想(会社四季報ベース)の営業利益率を見ると、例えば半導体製造装置大手の東京エレクトロン(8035)が20%、検査装置大手のアドバンテスト(6857)が18%、半導体材料のシリコンウエハーで世界トップの信越化学工業(4063)は26%となっている。

国内上場製造業の平均は7%弱なので、これらの企業の利益率は高い競争力を反映したものと考えてよく、今年の活躍が期待される5G関連株の先鋒として、まずは半導体関連株に注目したい。年初から株価はそろって上昇しているが、息の長い相場が期待できそうなので、押し目をしっかりと狙っておきたい。

5Gスマホ向け部品で国内電子部品メーカーに活躍場面

また5Gも有力なテーマだ。今春から商用サービスが開始されるが、大手通信キャリアが本格的にサービスを開始するのは10月で、その頃には5G対応のアイフォーンが発売されるなどして、5Gが一気に消費者に近くなる。世界レベルでは今年中に2億台の5G対応スマホが販売されるとも予想されており、ここでもビジネスチャンスが大きく広がる日本企業がありそうだ。

スマホ向け通信部品で圧倒的な強みを発揮する村田製作所(6981)をはじめ、京セラ(6971)太陽誘電(6976)TDK(6762)などは、5G関連が来期以降の収益に大きく貢献しそうだ。また、スマホカメラ向けのイメージセンサーで世界シェア過半を占めるソニー(6758)も5G普及のメリットは大きいだろう。

商用サービスが開始される5Gが、すぐに社会や産業構造を一変させるわけでは決してない。しかし、5GによってAI(人工知能)の活用が促され、自動運転車の実現に向けての動きが加速し、IoT(モノのインターネット)の領域が広がるなど、この数年間で世界的に1300兆円を超える経済波及効果が期待できるという。今年の株式市場は大きな変化の始まりの年として投資妙味が大きくなりそうだ。

有沢 正一 岩井コスモ証券 投資調査部長

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ありさわ しょういち / Shoichi Arisawa

1981年大阪府立大学経済学部卒業。1989年岩井証券入社、株式部、調査部などの勤務を経て、2003年イワイ・リサーチセンターセンター長。2017年5月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。株式投資の対象として有望な企業を発掘するため、関西を中心に企業の調査・分析に取り組むかたわら、個人投資家向けに月10回ペースで株式セミナーの講師を務める。

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