ロイヤルホストが3年続けて元日休業できた訳 使い勝手のよい「異日常空間」を目指す
接客業なのに顔を引きつらせながら対応するスタッフ、なかなか注文を取りに来ず、飲食の提供の遅い店にイライラするお客――という構図だ。こうした経験はないだろうか。
現時点では、同社の年末年始休業は、お客にも従業員にも「納得」されているようだ。
最近の注力商品はステーキ
年末年始に人気を呼んだ、ロイヤルホストの限定メニューに、例えば「黒毛和牛ZEN 和牛ステーキご飯&海老と帆立のあつあつグリル(小)」と「サーフ&ターフ ~オマール海老とアンガスサーロインステーキ~」がある。
前者は、和牛ステーキ60グラムが乗ったご飯、海老と帆立のあつあつグリル小など(2480円+税。一部店舗は2530円+税)。後者は、ステーキ100グラム(2480円+税、一部店舗は2530円+税)と同225グラム(3480円+税。一部店舗は3530円+税)をそろえた。
同社は中期計画で「ステーキメニューのブラッシュアップ」を掲げており、年明けに店で「令和二年 新春のご馳走」というメニューを開くと、ステーキが多く表示されていた。これ以外にハンバーグメニューも人気だという。
業績は好調だ。2019年(通年)は対前年比で、年間売上高=103.7%、来客数=100.0%、客単価=103.6%を記録した。好調の原因を佐々木氏に聞いてみた。
「いろんな方に、使い勝手がよいのだと思います。お客さまの行動特性はさまざまで、例えば14時過ぎに1人で来られる常連の個人事業主の男性もおられれば、銀座の店では18時頃に女性が1人で来られて、ワインを飲みながらステーキを楽しまれる。休日の郊外店は3世代で来られて、祖父母が子どもと孫の一家にごちそうする光景もよく目にします」
2016年に社長に就任した佐々木氏は、それまでは取締役営業本部長だった。大学時代から府中店などでアルバイトを始め、キッチン研修も経験。卒業後に入社し、現場作業も管理業務も経験してきた。社長就任後、強みを生かせるメニューとして「ステーキ」に注力したという。現在は100グラム、225グラム、450グラムの3種類の分量の肉を提供する。
「調理職ならチルド(冷蔵)で運ばれた肉を店で切る、野菜も店で切る。これらは、おいしさの追求として『店でひと手間かける』部分として残しています」(佐々木氏)
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