ロイヤルホストが3年続けて元日休業できた訳

使い勝手のよい「異日常空間」を目指す

「48時間利用しないため、食材の中には食品衛生上、保存できないものもあり、そうした食材の在庫はゼロにしなければなりませんでした。今まで経験がないので、再開後、安全・安心な飲食がスムーズに提供できるよう、実は半年ほど前から対策チームを立ち上げて、シミュレーションも行っていたのです」

早くから準備したかいもあり、物流面を含めて総じてうまくいったが誤算もあった。

「1月2日にお客さまから『今日はやっていますか?』という電話が殺到し、その対応に追われた店も多かったのです。そうした点も含めて今後の課題にしたいと思います」

再開後の2日から5日まで売り上げも約1割増、人員確保も問題なく配置できたという。

「久しぶりに親戚に会えた」料理長もいた

今回の取り組みには、働き方改革もある。店舗スタッフの感想はどうだったのか。

ロイヤルホスト社長・佐々木徳久氏(撮影:ヒダキトモコ)

「2日連続して休めるので、新幹線で実家に帰った店長もいました。料理長の1人は帰省し、『久しぶりに家族や親戚にも会えた』と喜んでいましたね」(佐々木氏)

佐々木社長自身は例年どおり、元日も営業する一部の店舗を回った。外食の経営者にはこうした人が多く、「お客さんに、店で甘酒を振る舞うのが元日の行事」と話す他社の社長もいた。

それまでロイヤルホストは、従業員に金銭で報いてきた。大晦日と元日に出勤した店舗スタッフは、2018年から社員もアルバイトも「時給(日給)35%増し」だったという。

一方で働き方改革にも取り組む。「各店舗に調理人を置き、店でひと手間かける」が持ち味だが、店内作業の一部機械化も進め「ひと手間」の中身を細かく見直してきた。

ビジネス現場で話題になる言葉に「誰も幸せにならない」がある。例えば、元日から営業する飲食店は便利だが、お客が殺到すると、限られた人員でこなす店はパニック状態になる。

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