出生数90万人割れは「少母化」が最たる原因だ 「既婚女性」が産む子の数は変わっていない

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ご覧のとおり、第1次ベビーブーム直後の1950年はさすがに全年齢出生率が高く、20~40代にかけて、満遍なく出産しています。これが、当時の高い合計特殊出生率の原動力でした(1947年は4.54)。

とはいえ、2015年の有配偶出生率も決して負けてはいません。むしろ、現在(2015年)の30歳以上の有配偶出生率は第2次ヘビーブームだった1975年よりも、最後の皆婚時代であった1985年よりも上回っています。出生数が減っているのは、1980年代まで出産のメイン層だった20代女性の出産の減少によります。ここに昨今の晩婚化の影響が見られます。

産む間隔がどんどん狭まっている

女性の平均初婚年齢は1975年と比べると、40年間で約5歳晩婚化しています。それに伴い、出産年齢も遅くなっています。2015年は、第1子30.7歳、第2子32.5歳、第3子33.5歳で、1975年と比べると(第1子25.7歳、第2子28.0歳、第3子30.3歳)かなり後ろ倒しになりました。

注目すべきは、平均出生間隔の違いです。1975年は、1人産む間隔が平均1年半ありましたが、2015年では、0.9年。つまり1年弱で1人のペースで産まないと3人出産できない計算です。これは母体にとってもかなり過酷なのではないでしょうか。

次ページ元をただせば未婚率の上昇に行き着く
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