いすゞとボルボ、「電撃提携」に込められた意図

ボルボ傘下のUDトラックスを2500億円で買収

提携相手のボルボ・グループは、「ボルボ・トラック」や買収した「ルノー・トラック」などを傘下に有する中大型トラックの世界大手。ちなみに、ボルボブランドの乗用車事業は約20年前に売却しており、現在、同事業は中国企業の傘下にある。

ボルボは商用車のCASE対応で先行。同社の技術を用いて、傘下のUDも自動運転の実用化準備を進めている(記者撮影)

ボルボのトラック部門の年間売上高は3.1兆円、営業利益は約3000億円に上る。次世代技術の導入にも積極的で、すでに電動トラックを欧州で発売。自動運転でも運転手を必要としないレベル4の実証実験段階にあり、世界的に見てもCASE対応で先行する商用車メーカーの1社だ。

一方、いすゞは自動運転技術の開発などで大きく出遅れていた。ボルボと手を組めば、同社のCASE関連の先進技術にアクセスできる。もちろん、相応の開発費を負担することが大前提だが、それでも開発リソースの限られるいすゞが単独でCASEに対応するよりははるかに効率的だ。

日野自動車はVWグループと提携

自動車業界に押し寄せるCASEの大波は、決して乗用車領域だけにとどまらない。特にトラックの自動運転は、ドライバー不足問題への解決策として大きな社会的ニーズがある。車両の故障予知や運送会社の運搬・配送の効率化に役立つコネクテッド技術も同様だ。

さらに電動化も含む、これらのCASE先進技術にすべて単独で対応するのは難しい。そこで、日野は親会社トヨタからの技術支援に加え、2018年にドイツのフォルクスワーゲンのトラック部門を担うトレイトン社と戦略提携。また、国内第3位の三菱ふそうは、親会社で世界首位のダイムラーの支援の下でCASE対応を急いでいる。

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