いすゞとボルボ、「電撃提携」に込められた意図

ボルボ傘下のUDトラックスを2500億円で買収

提携会見でボルボ・グループのルンドステットCEO(右)と握手する、いすゞの片山社長。「大変革期に対応するには、同じ商用車メーカーとの協業が最も効率的だ」と話した(記者撮影)

自動運転や電動化など「CASE」時代の到来が、トラック業界に新たな国際的合従連衡をもたらした。

2019年の師走、いすゞ自動車とスウェーデンのボルボ・グループが戦略的提携で基本合意。ボルボ傘下のUDトラックス(本社:埼玉県上尾市)とその海外事業をいすゞが取得したうえで、ボルボと先進技術開発や大型トラック事業の強化などで協業する。

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UD社は旧日産ディーゼル工業。2007年にボルボが完全子会社化し、2010年に現社名に変わった。いすゞの昨年度のトラック販売台数30万台に対し、UDはわずか2万台だが、2社合算では普通トラック(積載量4トン以上の中大型)の国内販売で日野自動車を抜いて首位になる。

買収額は現時点での概算で2500億円前後。今後、詳細な事業価値査定を経て取得額を確定し、今年末をメドにUDを完全子会社化する。これで日本の商用車メーカーは、いすゞ・UD連合、トヨタ自動車傘下の日野自動車、独ダイムラー傘下の三菱ふそうトラック・バスの3陣営に集約されることになる。

CASE対応で膨らむ開発費

しかし、片山正則社長は提携会見の席でこう強調した。「決して、UDのいすゞグループ入りが単独であるわけではない。あくまで当社とボルボとの戦略提携がまず先にあって、その提携の枠組みの中で出てきた話だ」。

ボルボとの戦略提携に踏み切った一番の理由は、自動運転や電動化などCASEと呼ばれる先端技術への対応だ。CASE対応の研究開発負担は商用車メーカーにも重くのしかかる。実際、いすゞも近年は開発費が右肩上がりに増え、今年度は1000億円の大台突破が確実だ。

「身の丈経営としては、できれば開発費を総売上高の4%前後に抑えたいが、足元ではすでに5%近くにまで上昇している。しかし、それでも100年に1度の技術革新にはまだ十分ではない」(片山社長)。そうした危機感が今回の提携につながった。

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