京都に「世界中の高級チョコ店」が溶け込む必然 町家をはじめとする歴史的景観になじむ

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「町家の存続には相続などいろいろな問題がある。解体する前に市に相談してほしい」と京都市は呼びかける。京町家を1軒でも守りたい京都市と、京町家に高い価値を見いだす高級チョコレートブランドの思いが共鳴している。

アメリカの有名旅行雑誌『トラベル・アンド・レジャー』(ワールドベストシティー)で2014年から2年連続1位、2012年からは8年連続トップ10入りするなど、京都は抜群の知名度がある。

京都に魅了される世界的ショコラティエ

世界大会優勝経験もあるショコラティエ小野林範さんは、東山区に店を開いた理由を「京都はパリ、ニューヨークと並んで世界的に有名です。はじめての店は絶対京都と決めていたのは、世界に広げるチャンスがあるからです」と話す。

海外からの観光客も多い(ダンデライオン・チョコレート京都一念坂店)(筆者撮影)

美意識が高い世界のトップショコラティエは、文化や歴史をリスペクトする。「京都には、研ぎ澄まされた職人文化が息づいています。千年を越え受け継がれるものに誇りと矜持を持ち、一方で新しいものに対する好奇心と受け入れる度量も持つ街だと感じます。私はそんな懐深い京都に魅せられたひとりの職人(アルティザン)です」とは、パリの有名ショコラティエ ジャン=ポール・エヴァン氏の言葉だ。

京都市は、景観と品格を保ちつつ、文化を基軸に新しいものも受け入れて「京都」を未来へ継承しようとしている。世界を舞台に展開する多くの高級チョコレートブランドが、京都を選ぶのもうなずける。

市川 歩美 チョコレートジャーナリスト/ジャーナリスト

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いちかわ あゆみ / Ayumi Ichikawa

大学卒業後、民間放送局に入社、その後NHKで、長年ディレクターとして番組企画・制作に携わる。現在はチョコレートを主なテーマとするジャーナリストとして、日本国内、カカオ生産地などの各地を取材し、情報サイト、TV、ラジオなど多くのメディアで情報発信をしている。チョコレートの魅力を広く伝えるコーディネーターとしても活動。商品の監修や開発にもかかわる。

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