ぶっちゃけ、ネットで政治は変わるのか? 家入流選挙が再定義した「対話の政治」

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舛添氏の勝利で終わった先の都知事選。選挙戦において、ネット戦略はどれほどのインパクトがあったのか(撮影:梅谷秀司)

最近、東洋経済オンラインは20~30代のビジネスパースンのファンが急増中と聞く。ただ、ビジネスやネットのリテラシーが同世代で相対的に高い皆さんでも、話題が政治のことになると関心が持ちにくい。実際、世代別投票率はガクンと落ちている。だからネット選挙が解禁されたと聞いても、こんなふうに思っているのではないか。

「ぶっちゃけ政治は変わるんだろうか?」――そんな筆者も数年前までは、政治の世界とは縁遠かった。ところが昨年独立し、ひょんなことから参院選、都知事選と“ネット選挙”に参加。ネットとリアル双方で新たな動きを目撃した。金髪のお兄さんとは違った当事者の視点から、皆さんが身近に選挙や政治を見直す材料を提供したい。

ネット選挙であなたが得られるメリット

先頃の都知事選は、史上3番目の低投票率(46.14%)にあえいだ。主要候補者は60代以上で女性もなし。おまけに都内では45年ぶりに積雪が20センチを超える事態となったので無理もない。「ネット選挙って言うから、家からネットで投票できたらいいのに」とボヤいた人も多いだろう。

残念ながら世界でも国を挙げての規模で行っているのはエストニアくらい(日本では一握りの自治体で、投票所での電子投票はやっているが)。技術的には可能でも普及が進まないのは、ハッキング対策などのセキュリティ面への不安が解消されていないためだ。一方で、ネットを使った選挙活動は欧米で早くから展開されてきた。しかし日本ではかつて、選挙期間中にホームページやブログの記事・写真を更新すると、公職選挙法で認められていない文書図画であるとしてNG扱い。ネットを使った選挙活動は昨年の法改正まで十数年待たされた。

ネット選挙活動で、有権者のあなたのメリットは何か?最近、子どもが生まれたばかりなら、待機児童の問題が気になるところ。ただ、街頭演説をする候補者の子育て政策を聞いてみたくなっても、平日昼間、都心で仕事をしていれば地元で活動する候補者の肉声は聞けなかった。これもネット解禁のおかげで候補者の演説の様子が動画中継で見られる。ホームページで候補者の予定も更新可能になり、週末でなくても演説を聞きに行けるようになった。

もちろん堅苦しい演説だけではない。ニコニコ生放送などの動画を使って、候補者と各分野の専門家と政策討論を聞くこともできるし、時には文化人との対談で横顔や意外な趣味も知ることができる。

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