キヤ141系の役割は、軌道関係や信号通信関係の検査・測定である。具体的には、軌道関係では線路のゆがみや高低差、信号通信関係では信号や踏切の状態を調べ、不具合が見つかればその場所や内容を記録。担当部署に連絡し、必要な補修を行うというものだ。ドクターイエローと同じく、線路などの“お医者さん”的存在で、ステンレスの車体に配された黄色もドクターイエローを思わせる。ちなみに、キヤ141系には"ドクターWEST"という愛称がある。
車内に入ると、まず目に飛び込んできたのは大きな発電機だ。キヤ141系はディーゼルエンジンで走行するのに加え、さまざまな計測機器を動作させるための電気も自前でまかなえ、電化・非電化を問わず検測することができる。その対象エリアはJR西日本全域にとどまらず、JR四国やJR九州、さらに京都丹後鉄道や若桜鉄道といった第三セクター鉄道などにも及ぶ。
九州や四国へ”出張”も
発電機室の隣には、軌道関係の測定室があった。いくつものモニターが並ぶ室内は、工場の制御室のよう。専用の台車や測定機器で計測したデータをここで収集・分析し、保線作業につなげる。隣の車両にも測定室があり、こちらは信号通信関係の測定を行っている。
九州や四国へ“出張”する際は、数日間にわたってスタッフが車内で過ごすため、車両の一角には仮眠用のベッドを備えた休憩室やトイレ、大きめの洗面台もあった。まさに、車両内が1つの職場である。
JR西日本の「事業用車両」たち
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キヤ141系の前面。どことなく221系電車を
思わせる顔つきだ(筆者撮影)
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キヤ141系の前面。ライトは前面窓の上下にある
(筆者撮影)
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キヤ141系の側面。事業用車両のため窓や扉が少ない
(筆者撮影)
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側面に通気口や給油口、油量ゲージなどがあるのも
事業用車両ならでは(筆者撮影)
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側面の車番表記。キヤ141系は2編成4両が製造された
(筆者撮影)
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線路状態を計測するための機器が取り付けられた台車
(筆者撮影)
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線路状態を計測するための機器が取り付けられた台車
(筆者撮影)
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連結面に記載された表記類。「京」は京都支社管轄、
「キト」は京都支所所属であることを表す(筆者撮影)
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キヤ141系の側面。独特のスタイルだ
(筆者撮影)
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キヤ141系の乗務員室。測定用のカメラも設置されている
(筆者撮影)
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キヤ141系の室内。検測データの記録・分析用機器が
所狭しと並ぶ(筆者撮影)
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キヤ141系の室内。さながら“走るオフィス”
といった感じだ(筆者撮影)
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キヤ141系の車内表記類
(筆者撮影)
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車両の一端には検測機器用の発電機が搭載されている
(筆者撮影)
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クモル145系配給車両の前面
(筆者撮影)
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クモル145系の前面。ここだけ見ると103系と
ほぼ変わらない(筆者撮影)
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JRで使われている2種類の連結器に対応可能な
「双頭連結器」を装備する(筆者撮影)
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クモル145系の側面。運転席の後ろには雨に濡れると困る
荷物を運ぶための有蓋室がある(筆者撮影)
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モーターを持たないクル144形。入換作業時の利便性を
上げるためパンタグラフを装備する(筆者撮影)
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昭和39年に製造された101系を改造。
通算すると55歳だ(筆者撮影)
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クモル145系の室内。営業用ではないため骨組みが
隠されていない(筆者撮影)
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クモル145系の無蓋室(荷台)
(筆者撮影)
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車両部品などを積載するため頑丈に作られている
(筆者撮影)
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室内の一角にあった扇風機や室内灯のスイッチに
昭和の香りが漂う(筆者撮影)
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クモル145系の乗務員室
(筆者撮影)
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クモル145系の乗務員室。かなり広いスペースが
確保されている(筆者撮影)
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乗務員室の扇風機には国鉄時代の
「JNR」ロゴが残っていた(筆者撮影)
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クモル145形の側面表記。現在「ル」の文字が
見られるのはこの2両だけだ(筆者撮影)
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レールを運ぶのに使われるチキ5000形貨車
(筆者撮影)
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チキ5000形の側面表記。普段は桜島線安治川口駅
に留置されている(筆者撮影)
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チキ5000形の荷台に設置されている、
レールを固定するための器具(筆者撮影)
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レール固定用器具はカーブをスムーズに
曲がれるよう回転する(筆者撮影)
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チキ5000形に取り付けられた改造銘板。この車両は
長野工場で改造された(筆者撮影)
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車庫の一角には検査を終えたピカピカの
チキ5000形が停車していた(筆者撮影)
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クモル145系が荷台に資材を積んで走行する
貴重なシーン=2015年4月(筆者撮影)
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2018年3月に本線を走行した際は茨木駅にも
多くの鉄道ファンが詰めかけた(筆者撮影)
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