キヤ141系とクモル145系は、どちらも京都支所にしか配置されていない車両だが、これ以外にも珍しい事業用車両が京都支所にいた。西留置線に停車していたのは、チキ5000形貨車。これはレールを運ぶための車両で、平らな床の上にレールを固定するための器具が設置されている。
今回見せてもらったのは、「定尺レール」と呼ばれる長さ25mのレールを運ぶためのもので、2両1組で運用される。京都支所では、長さ150mのロングレールを運ぶために11両編成を組んだチキ5000形も見られるが、この日はあいにく他の場所へレールを運んでいて不在だった。
見慣れない車両、ひょっとすると…
京都支所は、かつて向日町運転所という名称で、業界関係者や鉄道ファンの間では「ムコソ」の略称で呼ばれていた。昭和40年代からJR時代にかけて、485系電車や583系電車、14系寝台客車など、国鉄を代表する特急用車両が多く所属していた名門車両基地である。
組織変更によって1996年には京都総合運転所となり、さらに2012年には吹田総合車両所に統合されて京都支所となったが、現在も特急「サンダーバード」などで使われる681系・683系や特急「はまかぜ」用のキハ189系などが所属。JR西日本有数の規模を誇っている。
また、京都支所の隣にはJR西日本のレールセンターがあり、レールを交換する際は新しいレールをここから各地へ運搬。多くの場合は交換場所に直接取り卸し、後日交換されることになる。
取り卸し作業や交換作業は、もちろん深夜だ。JR西日本では先日、保線作業を効率化し人手不足を解消するために終電の繰り上げを検討すると発表したが、こうした作業が確実に行われているからこそ、今日も鉄道は安全運行を続けられている。
あなたがもし見慣れない車両を見かけたら、それは鉄道の安全を守るために働いている最中の事業用車両かもしれない。こうした車両やスタッフが存在することを、少しでも思い出してもらえれば幸いだ。
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