25キロ痩せた医師が語る"デブ味覚"変えるコツ 肥満とやせ型の空腹度の違いに注目

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工藤先生によると、そもそも太る原因の90%以上が「食事の量」で、肥満の人は毎食を「腹九分、十分」まで食べて、さらに少しでもお腹が減れば何かつまむ習慣ができてしまっているのだ。

必ず空腹感をもって3食を迎えよう

工藤孝文医師(写真:週刊女性PRIME)

対して、「やせている人は空腹を感じたらその感覚がなくなるまでの“腹一分、二分”の量を食べ、また1日3食を必ず空腹感をもって迎えています。これが非常に大事。お腹をしっかりすかせてから食べないと、ミトコンドリアがうまく働かずに脂肪を燃焼させるエネルギー効率が悪くなるのです

言われてみれば、肥満の人はお腹が鳴らないように思えるが、それは空腹になる前に食べ物を手にしているから。とはいえ、年末年始においしいものをたくさん食べたいし、揚げ物や甘~いスイーツへの欲求はつのるばかり……。

「なぜ脂っこいものや甘いものが食べたくなり、また過食してしまうのかというと、それはセロトニンやドーパミンなどの“幸せホルモン”とも呼ばれる物質が不足するからです。とくに日照時間が短縮する冬場はセロトニンが減りやすくなっているのです。

そして、このセロトニンやドーパミンの代替えとして、グルタミン酸やイノシン酸などの物質が有効であると考えました。これらは人間が本来安心できる、幸せになる“うまみ”成分を含んでおり、脳に作用するホルモンのような働きを見せます。母体の羊水や母乳にも、うまみは含まれているんですよ

この「うまみ」こそ、やせる出汁の正体だ。材料であるかつお節には「ヒスチジン」、煮干しには「イノシン酸」、刻み昆布には「グルタミン酸」、緑茶には「テアニン」とそれぞれにうまみ成分が含まれている。

これらは食欲を抑え、なおかつストレスを軽減し、心のバランスを整えて精神を安定させてくれるのだ。

そして、出汁がもたらすもう1つの効果というのが、

“味覚の正常化”です。脳に作用して食欲をコントロールするのと同時に、味覚を司る味蕾(みらい)に作用することで自然と脂っこい、甘ったるいものが食べられなくなるのです

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