ホンダ「N-BOX」、買ってわかった売れる理由 9カ月乗って実感する「意外なよさ」とは?

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こうしたダイハツの言い分が示すように、N-BOXに見られるホンダの軽開発は、極めて高コストなのだ。N-BOXの価格は、ライバルと比べると割高だと見られる場合が多いが、それでも「(価格が高い割には)儲からない」とホンダ関係者は言う。

モノづくりの高コスト社内体質に対して、ホンダ上層部は定例の決算報告会などを通じて近年中の大幅な見直しを明言している。

そうなると、N-BOXは今が「走りのよさの頂点」になってしまうのだろうか? それとも、先日発表された部品関連子会社の統合や、本社・研究所などの人員整理などによる固定費削減によって、走りのレベルの維持を図るのか?

福井~東京7時間ドライブも余裕

そんなホンダの未来を考えながら、12月上旬には福井から東京までのロングドライブを行った。

ホンダ センシングにはACC(アダプティブ・クルーズコントロール)も搭載される(写真:ホンダ)

途中、名古屋での仕事で1泊したが、合計7時間ほどの単独運転でも、いい意味でのドレス効果と走りのよさを感じた。さらにホンダセンシングによって、疲れもほどほどだった。

2019年11月には、軽自動車の月間販売台数トップ(登録者含む)の座を27カ月ぶりにタントに譲るも、N-BOXは日本を代表するロングセラーカーであることに変わりはない。当分の間、わが家のN-BOXには、永平寺町での相棒として頑張って働いてもらおう。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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