ホンダ「N-BOX」、買ってわかった売れる理由

9カ月乗って実感する「意外なよさ」とは?

本稿執筆時点(2019年12月中旬)で、筆者はN-BOXオーナー歴は、9カ月と短い。だが、職業柄これまで数多くの軽自動車を試乗し、また親族が所有する歴代ダイハツ「タント」各車など、N-BOXのライバル車を日常生活の中で乗る機会もこれまで多くあった。そうした経験を踏まえて、N-BOXがなぜ売れ続けているのかを、オーナー目線で考えてみた。

最近、あおり運転の報道から世の中で広く知られるようになった、クルマの「ドレス効果」。高級な輸入車や“オラオラ顔”の大型ミニバンのハンドルを握ると、自分自身の社会的地位が上がったような錯覚を持ち“そこのけそこのけ”というワガママ運転となり、あおり運転につながるという解釈だ。

「負けていない」と思わせる

そこまで極端な気持ちの変化まで至らなくても、クルマに乗ること自体が歩行者や二輪車に対して運動特性上、優位な存在という意識から、多くの人がドレス効果を持つことは明らかだ。

N-BOXには、いい意味でのドレス効果がある。言い換えると「(周りのクルマに対して)負けていない」という気持ちになる。

目線の高さは大型ミニバンに匹敵する。視界もいい(写真:ホンダ)

「負けていない」理由の1つ目は、着座位置が高く、視点が高いこと。交差点で止まった時、トヨタ「ノア/ヴォクシー」「シエンタ」、ホンダ「ステップワゴン」はもとより、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」と比べても、地上からの目線の高さはさほど変わらない。

ミニバン・ヒエラルキー(序列)において軽は最下位にあり、それを“負い目”と感じる人が多いため、ホンダはあえて着座位置を上げている。こうしたドレス効果は極めて有効だと感じる。

また、外から見ても「負けていない」。駐車場でステップワゴンなどと見比べても、さほど小さく感じない。知人数人が「これでも、軽か!?」とビックリしていた。

ボディーサイズで見れば、軽自動車の規格にのっとっているため、タントやスズキ「スペーシア」と差はないのだが、ドレス効果の演出という点で、N-BOXが大きく感じられる。

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