いつも足が痛い人がやりがちな靴のNGな選び方 「靴底・中敷き」からわかる歩き方の悪いクセ

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洋服を選ぶ感覚を思い出してください。どんなにデザインが気に入っても、きつい、ダブダブの洋服は買わないはず。靴も同様です。

靴を購入する際に最も大事なのは、足の実際のサイズに合った靴を選ぶこと。それには、まず靴の専門店で足を測ってもらい、自分の足の実際のサイズを知ること。そうすれば、かかとパカパカや痛いなどの不具合の原因が、靴のサイズだけではないことに気づくことができます。

靴売場に行くと、たくさんの靴があります。パンプス1つを取っても、トウのスタイルはピンと尖ったもの、丸いもの、四角いもの、ヒールの高さも3cm程度から10cmはあろうかというものまで、さらにヒールのシルエットもさまざまです。

靴を選ぶときのポイント

足の正しいサイズはわかったし、さあ、選ぶぞ! しばしお待ちください。足に合ったサイズを選んでも、すべてのデザインが選択対象になるわけではありません。足、そして歩くためのウエアとして十分な機能を発揮する靴を選ぶことが大切です。ではどうしたら選べるか。歩くためのウエアとしての靴を選ぶポイントをお教えしましょう。

1.かかとがしっかりした形状かどうか

次に挙げる3カ所(次ページのイラスト参照)を、親指と人差し指で挟んで押して、硬さをチェックしてください。フニャッとしていたら不合格。硬く成型されていることが実感できるものでなければなりません。

① ヒール、あるいは底と甲が接している箇所
② 履き口と①との中間
③ 履き口の際

3カ所すべてをクリアしないと、残念、不合格です。また、かかと部分の深さは人差し指一本程度が望ましいでしょう。

2.甲を包み込み、足をホールドする形状やデザインになっているか

ストラップや紐などの留め具が付いてないパンプスなら、履き口のつまさき寄りが、指の付け根よりも上にあり、甲を深く被っていること。またサイドの深さも重要です。外側の履き口を浅くカットしたデザインもあります。甲の露出部分が増えて、そのほうがエレガントな印象を与えますが、快適に歩くには、好ましくありません。

サイドの両側が同じ深さがベスト。深さのガイドラインは、人差し指の関節2つ。人差し指の付け根を、甲と底が接するラインに合わせ、履き口が2つ目の関節より上のところにあればOKです。

甲や足首にストラップが付いたもの、あるいは紐締め式であれば、ストラップや紐が足を靴に固定してくれるので、履き口の深さにそれほど神経を使う必要はありません。私は、足と靴が一体で動くことを「足靴一体(そっかいったい)」と言っています。

1.かかとがしっかりした形状かどうか、2.甲を包み込み足をホールドする形状やデザインになっているかは、足靴一体を実現するための必須条件。足と靴が一体で動いてこそ、快適歩行が叶います。

歩行に適正なヒールの高さについてお伝えします。一般的に考えると、ヒールは低いほど快適に歩けるとお考えのことでしょう。しかし、違います。適正なヒール高は、3〜4cmです。

アキレス腱は、足首の後ろ側の細くなったところを走っているスジ。ふくらはぎとかかとの骨をつなぎ、かかとを持ち上げる働きをしています。歩行には大事な腱です。丈夫な腱ですが、伸縮性があまりよくないのが特徴です。走る前などに足首を伸ばすストレッチを行いますが、この目的はアキレス腱を伸ばし、運動によるケガやトラブルを防ぐためです。

歩行運動では、爪先で蹴り出すと、ふくらはぎの筋肉が収縮し、これによってアキレス腱は引っ張られて伸び、そのとき、負荷がかかります。スムーズに蹴り出せて、アキレス腱に負荷をかけすぎない適正な高さが、3〜4㎝なのです。

次ページ7cm以上だと重心が前に行ってしまう
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