ドラマ「深夜食堂」が地味に10年続いてるワケ

Netflixで「開店」したことの侮れない効果

『深夜食堂:Tokyo Stories Season2』はNetflix版としては第2弾目、ドラマシリーズ全体では第5弾目。原作コミックの人気エピソードにオリジナルエピソードを交え全10話で構成される(写真:Netflix)
Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

日本ほど「食」をテーマにしたドラマが多い国はない

質の高い飯テロドラマと言えば、『深夜食堂』もそのひとつ。Netflix版の新作が3年ぶりに開店し、年の瀬ムードを味わえる「年越しそば」のエピソードを含めた全10話がNetflixで世界独占配信中です。2009年にテレビドラマ化されてから10年目。ある意味、理想的な道のりを歩んでいるドラマでもあります。

「深夜食堂」の料理は映画『かもめ食堂』、連続テレビ小説「ごちそうさん」(NHK)でも活躍したフードスタイリストの飯島奈美が手掛ける。今回も材料さえあれば何でも作ってくれる。”ささみチーズかつ”や、”焼きそばパン”、”チキンライス”などバラエティーに富んだメニューが並ぶ(写真:Netflix)

舞台は繁華街の路地裏にたたずむ食堂「めしや」。小林薫が演じるマスターの台詞「営業時間は深夜0時から朝の7時ごろまで。人は『深夜食堂』って言っているよ」から毎度、話が始まる1話完結ものです。性別も、年齢も、境遇も異なる客が店を訪れては、カウンターで小さなドラマが生まれます。ドラマのキャッチフレーズにある「小腹も心も満たします」にウソはないほど。1話見終わるごとにじんわりとそれを体感できます。

原作は小学館『ビッグコミックオリジナル』で連載中の安倍夜郎作の同名タイトルの漫画です。2009年10月に地上波の深夜ドラマとして初放送され、シーズンを重ねるごとにその人気は日本だけでなく海外にも広がっていきます。

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受賞歴をみると、2012年にはドイツ・ハンブルクでのワールドメディア・フェスティバルで娯楽・家族向け番組部門で「銀賞」を受賞、日本のドラマとしては初となる「年間最高人気外国ドラマ賞」をソウルドラマアウォード2015で受賞しています。

世界でもありとあらゆるドラマが作られていますが、日本ほど食をテーマにしたドラマは多くはありません。料理と絡ませたほかにはない世界観を描くドラマ作りが必然的に日本で追求されていき、結果、『深夜食堂』のような海外でも多くのファンを持つドラマに育っていったのだと思います。

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