仕事の満足度を決める7つの絶対外せない要素 5万人調査から判明!満足度が高い仕事TOP5

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そこで、このステップでは、発想の幅を広げるための手がかりとして「仕事の幸福度を決める7つの徳目」をチェックしていきます。

ここから取り上げるのは、「あなたの仕事人生を幸せに導くために必要な要素とは何か?」というポイントです。なんの手がかりもなしに「視野を広げよう!」と言われたら途方に暮れてしまうものの、幸福な仕事に必要な条件がわかれば選択肢を増やすためのとっかかりになるでしょう。

仕事の幸福度を決める7要素

「仕事の幸福度を決める7つの徳目」とは、次のようなものです。

自由:その仕事に裁量権はあるか?
達成:前に進んでいる感覚は得られるか?
焦点:自分のモチベーションタイプに合っているか?
明確:なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか?
多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
貢献:どれだけ世の中の役に立つか?

以上のポイントは、「仕事の満足度」について調べた259のメタ分析などであきらかになったもので、欧米はもちろん日本をふくむアジア諸国においても重要度が変わらないことがわかっています。

これらの要素を満たさない仕事は、どれだけ子どもの頃から夢に見た職業だろうが、誰からもあこがれられる業種だろうが、最終的な幸福度は上がりません。逆に言えば、これらの要素がそろった仕事であれば、どんなに世間的には評価が低い仕事でも幸せに暮らすことができるわけです。

本稿では、7つ目の「貢献」の要素について解説します。

2007年、シカゴ大学が約5万人の男女を集め、30年をかけて職業リサーチを行いました。チームが調べたのは、「高い満足感を得やすい職業とはどのようなものか?」という問題です。あらゆる職種から集めた被験者に仕事の満足度を尋ねたところ、「最も満足度の高い仕事」のトップ5はこうなりました。

1、聖職者
2、理学療法士
3、消防員
4、教育関係者
5、画家・彫刻家

一見すると、ランキング上位に入った職業はバラバラで、日々の作業もまったく異なります。また、この結果はあくまでアメリカの文化に特有のものであり、日本にそのまま当てはめるわけにもいきません。

しかし、リストに並ぶ職業には、仕事の幸福を考えるのに役立つ特有の共通点があります。研究を手がけたトム・W・スミス氏のコメントを引きましょう。

「満足度が高い仕事とは、他人を気づかい、他人に新たな知見を伝え、他人の人生を守る要素を持っている」

確かに上位に並んだ職業は、どれも他人への貢献がわかりやすいものばかりです。聖職者は信者の悩みに日々寄り添うのが仕事ですし、療法士や消防員は患者や被害者の苦しみを救い、教育者と芸術家は受け手に新たな情報や物の見方を伝えるのが職務です。

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