40代は「お金目的の転職」をしてはいけない理由 中高年のための「転職のコツ」を一挙紹介

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60代になると雇用を取り巻く環境は大きく変化する。もちろんそれは、転職希望者にとって不利な状況へと変化するということだ。60代にしてなお精力的な人なら、「豊かな経験と知識を生かして、新たな職場で役に立ちたい」と考えるかもしれない。しかし厳しいようだが、その思いは片思いでしかない。

多くの会社は、基本的にシニアの力を必要としていない。しかも、産業技術が急速に進化している現在、ベテランの経験値が活きる場面は激減している。

だから私は、60代は「転職」するのではなく、「求職」するのだと主張してきた。身に付けた知識やスキルを生かして、次なる活躍の場を探すのが転職であるなら、自分の知識や経験を売り物にできない60代は転職できないことになる。

ではどうすればいいのかというと、業種・職種を限定せずに、自分ができる仕事を求めて探し回るしかない。だから転職ではなく求職なのである。それが現実だと割り切り、新しい視点で仕事を求めることをおすすめしたい。

60代はこれまでの「経歴」を捨てよう

新しい視点とは、ありていに言えばこれまでの経歴を捨てるということだ。定年前の役職やポジション、収入にこだわってはいけない。

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ある企業が、シニアを対象に求人したいと当社に問い合わせてきたことがあった。給料はいくらぐらいか尋ねると、「年収300万ぐらいから」という答えが返ってきた。

当社に登録しているシニアの転職希望者には、大企業の重役を務め、かつては年収が3000万円を超えていたという人も少なくない。そんな人なら、年収300万円の仕事には目もくれないと思うかもしれない。しかし、現実は違う。この条件でもいい、ぜひ働きたいと積極的にアプローチしてきた元大企業重役の転職希望者が、思いのほか多かったのだ。

こうした事実が、シニアの転職市場の厳しさを物語っている。シニアが年収1000万円以上を超える高収入の仕事に就いた例もあるが、それはごくまれで、前にも述べたように宝くじに当たるようなものだと考えたほうがいい。

60代の転職では、基本的に選り好みをしないで、自分が必要とされているならどんな条件でも迷わず受け入れる柔軟さが求められていると知っておいてほしい。

郡山 史郎 CEAFOM代表

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こおりやま しろう / Shiro Koriyama

1935年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、伊藤忠商事を経て、1959年ソニー入社。1973年米国のシンガー社に転職後、1981年ソニーに再入社、1985年取締役、1990年常務取締役、1995年ソニーPCL社長、2000年同社会長、2002年ソニー顧問を歴任。2004年、プロ経営幹部の派遣・紹介をおこなう株式会社CEAFOMを設立し、代表取締役に就任。人材紹介のプロとして、これまでに3000人以上の転職・再就職をサポート。

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