スペック高めの46歳婚活男性がなぜ未婚なのか 親の考え方も「老い」とともに変わってしまう

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また、お見合いからデートまで、1度も自分のお財布を開いたことがなかったし、結婚後も男性のお金で生活するのが当然のことだと言われた。

「お見合いやデートの費用を男が払うのは、結婚相談所の暗黙の了解事項なので、しょうがないかとも思っていました。でも、結婚したら共働きなのだから、2人のお金を合わせて家計をやりくりしていくものだと、僕は考えていました。ところが彼女は、自分が働いたお金は自分で自由にする。僕の給料で生活をしていくと言うんです。その提案には面食らいました」

彼女との結婚に戸惑い出していたときに、仲人から連絡が入った。

「『彼女との結婚はやめたほうがよい』と言われました。『彼女の言動が、結婚相談所内で問題になっている』と言うんです。どうも婚約を持ちかけられていたのは、僕だけじゃなかった。指輪もうんと高いものをねだって、買ってもらった後にあれこれ理由をつけて婚約破棄をして、その指輪だけを手に入れるか、もしくは売ってしまおうという魂胆だったんじゃないかな」

仲人からの助言もあり、婚約破棄を隆一から申し出ると、彼女はあっさりとそれを承諾した。そしてその後女性は、結婚相談所からも姿を消していた。

相手方の親の「上から目線」

3人目の破談話も、隆一のほうからだった。

「シフト制で働いている女性でした。ある習い事のインストラクターだったので、土日は忙しい。会うのは、ウイークデーの彼女が休みの日の夜でした。それも、2週間に1回のペースでしか会えなかった。デートはもっぱら彼女の地元の居酒屋さん。昼間どこか一緒に遠出するようなデートもしてみたかったので、『休みの日に合わせて、僕が休みを取るよ』と言ったんですが、休みの日の昼間は自分の時間に使いたかったようです」

とはいえ、LINEを毎日送りコミュニケーションを取るようにしていたので、なんとか婚約までたどり着くことができた。

「それで、彼女のご両親にごあいさつに行くことになったんです。彼女のご実家は、お父さんが都内下町で町工場をやっていた。小さな工場でしたが、一国一城の主。そのせいなのかすべてが上から目線で、何だか話をしていて疲れてしまいました」

隆一は、車の免許を持っていなかった。運転自体が好きではなかったし、車がなくとも、何の不自由も感じることなく生活できていたからだ。免許を持っていないと知ると、彼女の父親が呆れたような口調で言った。

「えっ、今時車の免許を持っていないの? 横浜郊外じゃ田舎だろうし、車がないと不便でしょう?」

田舎と言われたことにカチンときた。横浜郊外と言っても電車の便がよく、横浜駅や都内に出ていくには便利な場所だ。都内の中心地にある職場への通勤にも1時間かかっていない。

3年ほど前、隆一はそこに一戸建てを購入していた。

「えっ? 家を買っちゃってるの? だとすると、身動きできないねぇ。年老いたお母さんと一緒に住んでるって? 結婚したら、お母さんはどうするの? まさか同居ではないよね」

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