人気沸騰「移動できる家」に見る多様な暮らし方 そのとき一番住みたい場所で、身軽に暮らす
人口減少により遊休地が急増する今、トレーラーハウスによって新たな人の流れをつくることができれば、過疎地の問題解決につながるかもしれない。
また、2018年の西日本豪雨の際に岡山県倉敷市では、51棟のトレーラーハウスが仮設住宅として活用された。普段は別用途で使用しつつ、いざというときには被災地に運び、仮設住宅に転用して災害インフラとすることも考えられる。
世の中に定着するのか?
人口が減少し余剰の土地が増える現代では、機動力のあるトレーラーハウスは社会的なニーズがありそうだ。では、個人利用の状況はどうなのだろうか。前出のさわだ氏に聞いた。
「このまま市場規模が拡大してゆけば、有力な住まいの選択肢としてトレーラーハウスが台頭するでしょう。われわれの『Tinys.mobi』は現在企業向けのみの販売ですが、生産台数をあげて価格を抑えることで一般販売するべく奮闘しています。
課題は居住性の高さと、安価を両立させることです。われわれが目指す製品は、移動のためのツールにとどまらず、手頃で心地よい住まいとして活用できるもの。トレーラーハウスというよりも、コストがかかる大きな家に代わるものとしての”車両付きタイニーハウス”なのです。一般的なトレーラハウスの相場が500万円程なので、ゆくゆくは『Tinys.mobi』の価格を400万円台まで下げたいですね」
現在「Tinys.mobi」の企業向け販売価格は700万円ほど。まずは企業向けに展開して販売台数を拡大し、一般向けにも販売したい考えだ。
YADOKARIは12月12日に設計関連の上場企業からの資金調達を完了したとのこと。「移動する家」の市場に熱い視線が注がれていることの表れともいえる。
このままトレーラーハウスやキャンピングカーの需要が拡大すれば、道路や設置場所なども整備されていくだろう。自分に一番フィットする場所を求めて、移動しながら暮らすライフスタイルは、近い将来に誰もが手が届くものになるかもしれない。
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