注意!今すぐ医者に診せた方がいい「ヤバい咳」 素人判断で「大丈夫」と思うなかれ
また、ラベルに書かれているとおり、4歳未満の子どもには決して与えてはならない。実際、アメリカ小児科学会では6歳未満の子どもにこうした薬を与える根拠は何もないとしている。
医薬品メーカーが万全を期そうとするせいで、市販のせきの薬には1つか2つで十分なはずの薬効成分が3つも4つも入っている。よく入っているものには鎮咳剤に去痰剤、抗ヒスタミン剤などがあるが、しっかり水分補給をしたり蜂蜜入りの紅茶を飲んだりすれば、せきを鎮めるには十分かもしれない。
まだ私は試す機会を得ていないのだが、イギリス・ハル大学の呼吸器専門医で国際咳嗽学界の創設メンバーでもあるエーリン・モーリスによれば、163人の患者を対象とした無作為化比較試験でチョコレートを主原料としたせきの薬が、一般的なせきの薬よりも効果があることが示されたという。
ココアには刺激を緩和する成分が含まれているというのがその理由だ。つまり保護膜を形成して粘膜の炎症を落ち着かせ、せきの発端となる神経終末も包み込むのだという。
突然のせきには水が有効
通常の環境下であれば、せきは非常に人の役に立つ反射だ。気道から粘液や刺激物質を排出し、異物や液体が肺に入り込むのを防いでくれる。問題となるのは、せきが何週間にもわたって止まらなかったり、観劇やコンサート、講義の最中に突然、何かの刺激でせきの発作が起きた場合だ(ここでアドバイスを1つ。音を立てずに開封できるのど飴、それにできれば突然収まらないせきを抑えるために小さな水のボトルを持ち歩くことだ)。
長引くせきの大半は風邪やインフルエンザの後遺症で、よくなったり悪くなったりしながら数週間も続くことがあるものの、うっとうしいだけで心配はいらないとエデルマンは言う。だが、せきはつらいもので、アメリカでは年に3000万人以上がせきで病院を受診している。また、医師の診察を受けるべき状況というのも存在する。
エデルマンによれば、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)やぜん息(軽いものであっても)といった持病のある場合がそれに該当する。「ぜん息持ちの人は医師との相談の下、『万が一』せきが起きたときに何をすべきかの行動計画を立てておくべきだ」と彼は言う。「炎症が始まったばかりの早いうちに気づくのが何より大事だ。症状が進むと治療が難しくなるからだ」。