注意!今すぐ医者に診せた方がいい「ヤバい咳」 素人判断で「大丈夫」と思うなかれ

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せきにもさまざまな症状がある。医師にかかったほうがいいせきとは?(写真:polkadot/PIXTA)

1月に2人の孫を連れて南米を旅したのだが、途中で年下のほうのテニソン(14歳)がせきをするようになった。熱もなければ鼻づまりやだるさもなく、本人も体調はいいと言い、普通に食べて寝て、きちんと水分も取れていた。だが8日経って、寒風の中で1時間半も猛禽類のショーを見た後、テニソンのせきは目に見えて悪化した。

保護者として私はまず、市販のせき止めシロップ薬を飲ませることにした。今にして思えば祖母がやっていたようにチキンスープや蜂蜜入りの紅茶の民間療法、そうでなければ最近の研究でせきへの効果が明らかになったココアパウダー入りのシロップのほうが、炎症を起こした気道にはよかったのかもしれない。

せきが止まらなくなって病院を受診したり、市販薬を買いに走ることは多い。ドラッグストアには処方箋なしで買えるせきの薬が棚にずらりと(何が何だかわからないくらいにたくさん)並んでいる。アメリカではせきや風邪の市販薬の売り上げは年間で約800万ドルに上るとされる。

せき止め薬は本当に効果があるのか

ところが、この手の市販薬のせき(湿ったせきであれ、乾いたせきであれ)に対する効果はほとんど証明されていない。せきの薬を飲むことで得られる効果は主にプラセボ効果――つまり一時的にであれ、効いてくれるはずだという期待から生まれるものらしいのだ。また、多少なりとも効いたところで、せき止め薬にせきそのものを治療したり、治癒を早める効果はない。

ストーニー・ブルック大学医学大学院の呼吸器専門医で全米肺協会の科学アドバイザーを務めるノーマン・エデルマンに言わせれば、せきの薬を買うのは何とかしてせきを鎮めたいと願い、薬を飲めば何らかの効果が得られるはずだと信じる人々だ。

エデルマンはせきの薬がまったく役に立たないと言っているのではない。ただ、効果がまだ証明されていないと言っているだけだ。めったにないとは言え副作用がないわけではないし、高血圧やうっ血性心不全といった持病のある人が服用すると危険なものもある。

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