FPは見た!「お金が全く管理できない人」の実態

趣味を優先、借金があるのに投資…

お金の管理が致命的にできない人たちが、一定割合いるようだ(写真:sasaki106/PIXTA)

少し前、お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実氏が巨額の収入を税務申告せず、国税庁から指摘されて納税したというニュースが世間を騒がせた。どうやら、数年ごとに同様のことを繰り返していたようだ。

報道によれば本人は「だらしなさ」が原因と考えているようだが、フィナンシャル・プランナ-(FP)である筆者の感覚として、「そういう人、いるよな」と思わずにはいられなかった。擁護する意図はないのだが、お金の管理がまったくできない人は、世の中の人が考えるより多いのかもしれない。

今回は、筆者が過去に出会ったお金の管理ができていない、あるいは結果としてお金の管理ができていないことが発覚した事例を紹介したい。

趣味を最優先させてしまう

自動車が趣味のAさん。おそらく独身時代から車の改良にお金を使ってきたのだろう。結婚してからもお金の使い方を変えることができないでいた。家計が狂うきっかけとなったのが、人事異動による単身赴任だった。

すでにマイホームを購入済みで、簡単に引っ越すことができないため、Aさんだけが単身で赴任。Aさんの家賃が毎月7万円(自己負担分)に加え、月数度の帰省では往復のガソリン代と高速代が重くのしかかる。

Aさんの家計相談はAさんの妻から依頼された。支出を洗い出してみると、単身赴任費用が毎月の家計赤字の原因となっている。一家全員が引っ越して、空き家を賃貸に出すことができれば、毎月数万円の収入にはなるはずだが、妻はそれをよしとしない。世の中によくあるパターンだろう。ボーナスや妻のパート収入を赤字補填に充てていたため、子供の教育資金積み立てに手が回らない。せめて車を手放すことはできないのだろうか。

Aさんには妻が何を言っても聞いてもらえない状態。すなわち、Aさんは妻の言葉に耳を傾けない状態といえた。家庭内コミュニケーションがどのような状態かわからなかったが、「妻の言葉に耳を貸さない夫」という構図は何度も見てきた。だが、今回は赤字の額が多すぎるため、何らかの措置が必要だ。体に例えれば、止血(節約)しなければやがて体内の血液(貯蓄)が底をついて家族全員倒れてしまう。

最も即効性のある解決策は車を手放すことだった。しかし、Aさんは頑として車を手放そうとしない。ついに妻から「諦めました。このまま行けるところまで行きます」との言葉がでてきた。彼女が働く時間を増やすそうだ。確かにそれも1つの選択肢だろう。

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