そうしたこだわりの部分に限っては、スーパーラグジュアリーにも負けない品質を持っていると思います。ときには、彼らを超えるぐらいの品質のものが要所、要所で仕掛けられているというか。
いかにいいお茶を飲んでくつろぐかが、質の高い眠りを誘導するために必要だとわかっているからです。
――それは研究と言うか、もう何か実証されているわけですか。
まあそうですね。いろいろな専門家とのお付き合いもあります。
お茶は「リーフル」という、特に紅茶を得意としている専門店とコラボして、専門家のティーセラピーに眠りにつきやすくなるお茶をオリジナルでブレンドしていただいています。コーヒーに関しては「上島珈琲」や「ネスプレッソ」と。
スリッパもなるべくスーパーラグジュアリーに近い、履き心地のよいものを考案しています。海外のお客様にもぜひ部屋の中では靴を脱いでいただきたいと言うメッセージも込めています。
疲れは足から取ったほうがよいので、ローテクとか笑われるときもあるのですが、青竹踏みも置いてあります。
――おしゃれな感じではないかもしれないですが(笑)、いいですね。
すべての部屋に置いてあります。「竹虎」さんという、創業121年の竹細工の老舗から仕入れています。足は「第二の心臓」とも言われますよね。それで血行をよくして、血の巡りをよくすれば、やはり心と体のバランスが非常に取れて、深い眠りに入れる。そういうストーリーを各部屋とも作っているということです。
若いスタッフが活躍できる場を作る
――そうした心配りをするためには、人材が大切になりそうです。たしか最近になって若い方を多く採用していると聞きます。
2009年にこのホテルがオープンする際に、新卒を採用したのが始まりです。つねに新卒を少しずつ採用しています。もともとわれわれは旅館で、ホテルスタッフとしては完全に素人集団だったので、丸の内の老舗・パレスホテルからの出向者をトレーナーに招き入れました。
スピード感のあるチームを作るために、現場に企画を融合させることを運営コンセプトにしました。ホテルの現場は運営主体で、接遇作業には根本から変えていく企画の要素は少ないので。
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