いきなり!ステーキの「お願い」が物議醸した訳

社長直筆文言ににじむ自画自賛と上から目線

もし「営業努力をしている」のなら、それもしっかり伝えてから「お願い」すべきであり、「ほぼ全店着席できる」「定量化150g、200gからでも注文できる」だけで人々を満足させられていないのは一目瞭然。「正念場」と言いながらも、その切実さが伝わらなかったのは、営業努力の説明不足もあったのではないでしょうか。

今回の貼り紙は、社長自らが窮状を明かし、しかも、それに相反するプライドをにじませたことで、「失敗した」だけでなく「この調子だと、もっと失敗するかも」というイメージを抱かせてしまいました。一度ついた「失敗」「もっと失敗するかも」というイメージは、よほどの業績アップや大ヒット商品が生まれない限り、覆すのは難しいところがあります。

ただそれでも、「いきなり!ステーキ」が社長の貼り紙で注目を集めているのは事実であり、「ここからどう改善していくのか?」が企業としての踏ん張りどころ。「『いきなり!ステーキ』を回転寿司のような文化に」という理想から離れ、一瀬社長だけでなく、幹部から現場まで、すべての社員が大小さまざまな改善策を打ち出し、できることから速やかに実行していく姿勢が望まれているのです。

店員たちへの「脅し」「パワハラ」の声も

企業一丸となって立て直しを図る上で1つ心配なのは、貼り紙をされた各店舗で働く店員たちの心境。

店頭に「このままではお近くの店を閉めることになります」と書かれた店の中で働かなければいけないのはつらいことであり、さらに来店客から「この店はどうなるの?」「会社はヤバイの?」などと尋ねられることもあるでしょう。

また、「このままではお近くの店を閉めることになります」は、一般の人々に向けた言葉に見えますが、実際のところ店員たちの胸を締め付けるものであり、ネット上で「店員たちへの脅しでは?」「これもパワハラだろう」という声も見かけました。

「来店客が増えなければ閉店する」という話だけではなく、各店舗で働く店員たちのモチベーションや、顧客に提供されるサービスの質という意味でも、やはり今回の貼り紙は効果的だったとは言えないのです。

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