いきなり!ステーキの「お願い」が物議醸した訳

社長直筆文言ににじむ自画自賛と上から目線

最初と最後に書かれた「お願い」「ご来店を心よりお待ちしております」というフレーズを見れば、この貼り紙が来店を促進するためのPRであることは間違いないでしょう。

しかし、それに続くのが「日本初」「格安高級牛肉」「食文化を発明」「大繁盛」と自画自賛のオンパレード。これらが「上から目線」「鼻につく」、さらには「格安でも高級でもない」「本当に大繁盛しているのか?」という批判の声を集めてしまいました。

一瀬社長は、店頭に自らの顔写真を掲げているほか、CMにも出演するなど、いわゆる「表に出る」タイプの経営者だけに、冒頭にプライドの高さを感じさせるフレーズを続けたのは、「人々の反発を招く」という意味でマイナス。何より「お願い」のはずなのに、自画自賛してしまったところが本末転倒でした。

来店客減少の理由を顧客サイドに求める

次にようやく「お客様のご来店が減少しております」「このままではお近くの店を閉めることになります」というお願いのパートに入るのですが、気になるのは自社サイドの非にまったくふれていないこと。それがないため来店客数減少の理由を「いい店があることを忘れているのでは?」「閉店したらもったいないのでは?」と顧客サイドに求めるような印象を与えてしまいました。

さらに続く「従業員一同は明るく元気に頑張っております」「お店も皆様のご希望にお応えしてほぼ全店を着席できるようにしました メニューも定量化150g、200gからでも注文できオーダーカットも選べます」というフレーズが、「我が社はやるべきことはやっている」と自らに非がないことを強調しています。

一瀬社長はフジテレビのインタビューで、「『正しい情報を知ってもらいたい』という一心を込めました」「立ち食いじゃないですよね、椅子ありますよね。『椅子がない』と思って来られないお客さまもいっぱいいるわけですよ」と答えていました。確かに知らない人もいるでしょうが、それならば自画自賛は書かずに正しい情報のPRに徹したほうが、「それなら行ってみようかな」と好意的に受け止められたでしょう。

やはり貼り紙からは、一瀬社長の「ウチのステーキいいでしょ?」「こんなにいい店が近くにあるのに何で来ないの?」という隠し切れない自負があふれていたのです。

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