コストコの通販が「高い」と思う人の大きな盲点 送料だけでなくその分、従業員を働かせている
まずお店の側のコストが小さくなる売り方をしていることです。具体的には大きな倉庫型の店舗でフォークリフトを使ってパレット単位で商品を陳列するスタイルです。スーパーならば倉庫から商品を見つけて売り場に並べるコストがかかるのですがその分を節約できる。言い換えれば倉庫から商品をピックアップする仕事を顧客がやってくれているのです。
2番目に卸サイズの大型商品ばかりなので販売効率がいい。一緒に買い物に来て、自宅に戻ってから4~5人で商品を小分けして精算して持ち帰る主婦グループもいます。これは会員が卸として購入し、自宅で小売用に小分けして販売しているのと同じで、この場合は小売り機能を顧客に任せているからコストが低いと考えることができるのです。
年会費以外の利益はすべて会員に還元
そして3番目にコストコの場合には余計な利益を上げない方針になっている、という変わった特徴があります。コストコは上場企業で年間の利益額が公表されているのですが、その利益額は会員数×年会費とほぼ等しいという特徴があります。つまりコストコの方針として会員からは年会費に相当する4400円だけ利益を上げればいいという考え方があって、それ以外の利益はすべて会員に還元する方針だから安いのです。
さて、この特徴を理解すると、なぜコストコオンラインが割高なのかその秘密がわかります。
ここからの説明はあくまで外部の経済コンサルタントが経験をもとに話すことなので、内部情報と違っている点があればご容赦ください。もっとも、企業秘密である内部情報はそう簡単に外には出てこないと思いますが。
コストコオンラインのサービスを開始するにあたって、消費者が期待する価格は「倉庫店の価格+送料」であるべきだと考えがちです。さきほどの私の例でいえば3万円分の食品を購入してそれを(かなり大きめのダンボール箱で)自宅に配送するとしても、どんなに高くても送料は2000円しかかからないだろうと思いがちです。だから6000円も高くなると思うと「オンライン高すぎ!」と思ってしまうわけです。
ところがコストコの側からすればコストコオンラインで追加されるコストは送料だけではありません。倉庫店では商品のピックアップは消費者がやってくれます。これはコストコに買い物に行くとつくづく痛感することですが、とにかくコストコでの買い物は疲れます。
広い倉庫に大きなカートを押しながら、必要な商品の棚に寄って大きなパッケージをピックアップする。そのピックアップに1時間ぐらいの労力をかけます。それをレジに持っていって支払って、駐車場までカートを押して車に積み込んでようやく自宅に向かうのです。
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