井上尚弥が「週刊誌の記事」にあえて怒った理由 モットーは「あるがままに正統にしゃべる」

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なぜ井上尚弥氏は、週刊誌系のネット記事にあえて反論したのか? 写真は12月9日、神奈川県横浜市の大橋ジムにて再開した練習風景(写真:共同通信)  
2019年6月、世界WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥氏が、とある週刊誌系ニュースサイトの記事に対し、ツイッターで怒りを表明したことが話題を呼んだ。有名人がこうした記事に反論するのは珍しい。井上氏があえて怒りの反論をした理由とは?
自身の「勝利を引き寄せるための思考術」を記した『勝ちスイッチ』から一部抜粋、再構成してお届けする。

SNS時代である。僕もツイッターやインスタグラムを使っている。アスリートの発言力、発信力だと上段から構えるつもりはない。自己表現の1つの形だと、広告代理店の社長から勧められて2017年7月から始めたものだ。最初は、発信することの持つ意味がよくわからなかったが、SNSをやっていくなかで、その影響力を少しずつだが理解できるようになってきた。

試合をするたびにフォロワー数も増え、本書執筆時点ではインスタが30万人弱でツイッターが14万人にあと1歩。試合の翌日には、山のようにダイレクトメールをいただき、感謝感激で、それらの声はモチベーションの1つになっている。

ネットニュースにあえて反応した理由

まだ幸いにしてディスられ、炎上することは少ない。時折、僕のツイッター発言がネットニュースに取り上げられて拡散されたりもする。ただ、発言がニュース記事になる場合とならない場合があって、想定外の発言が拡散するケースも少なくない。

意図的に拡散を狙うツイッター投稿もある。最近では、週刊誌系のネット記事に「強すぎて試合が面白くない」「国内での認知度は今イチ」「名前も地味」などと、書きたい放題書かれたので、あまり普段は気にするほうではないが、さすがに放置しておけないと「失礼な記事だな。親がつけた名前に地味だなんて記事にする必要はありますか?」とツイートした。

そのツイートはネット記事になって大きな話題となった。この週刊誌系の記事を読んだ人が、どう受け取ったかはわからないが、誰も否定する人がいなくて、一方通行のまま記事が独り歩きしていくことが許せなかった。僕にしては珍しくストレートに意見を発信した。試合の内容への批判や論評はあって当然で、何を書かれても受け止める度量はある。だが、井上家の名前をバカにされるいわれはない。

次ページスタンスは「余計なことは言わない、書かない」
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