深刻な「野球離れ」がもたらした指導者への変革 適切な「ことば」で語る時代をようやく迎えた

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筆者が2日間のすべてのセッションを見て痛感したのは「ことば」の大切さだ。

上下関係が厳しい日本の野球界では、指導者や先輩には絶対服従で「反論」はおろか「問い直す」ことさえままならなかった。指導者は指示を出すだけ。選手の理解を促す説明はなく、命令口調で一方的に伝えるものだった。いわゆる「体育会系」といわれるノリである。

しかしこの会で講演をした高村コーチや仁志敏久氏は、選手が本当に理解して自発的に行動するために指導者の側が最大限の配慮をし、言葉の力で選手を育成しようとしているのがわかった。野球界は適切な「ことば」で語らなければならない時代を迎えているのだ。

今の野球人口減少を止めたいという思い

今年の研究会の実行委員長は、東京大学硬式野球部の元監督で、現在は法政大学スポーツ健康学部学部長の平野裕一氏だ。

法政大学スポーツ健康学部学部長の平野氏(筆者撮影)

平野学部長は、「今の野球人口の減少を、あの手この手で止めたい、そのことをみんなで考えていただきたいと思って大会を企画しました。今回の発表も、普及育成で今、話題になっていることを中心に取り上げました。普及については、いろんなヒントを持って帰っていただきたい。そして育成は、高村さんや仁志さんなどの『よい指導』の仕方を学んでもらいたいと思っています」と語った。

「球数制限」など野球界は問題山積だが、日本野球科学研究会での活動が、日本野球の未来に活かされることを期待したい。

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