あおり運転対策にドラレコ付保険が注目の理由 ドラレコ設置のハードル高い世代にオススメ

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音声通話機能つきのドラレコなので、センターの担当者が「事故を確認しました。おケガはございませんか?」といった声掛けにはじまり、万が一運転者が手などを負傷していた場合でも救急車の搬送の手配まで行ってもらえるので便利です。ドラレコ搭載のGPS機能で事故現場もわかることも、対応をスムーズにしています。

通常であれば、保険会社への事故や保険請求の連絡にあたっては証券番号なども答えられるようにしておく必要があり(会社などによって異なる)、事故状況の証明もしなければならないことと比べると、自動で保険会社の事故受付が完了できるドラレコ特約はとても便利です。

東京海上日動火災保険では、あおり運転にあった時にドラレコのボタンを押すことでオペレーターと通話可能になり、対処法などを聞ける機能を2019年度中に追加する予定です。

なお、音声通話が可能なドラレコを導入しているかどうかは、保険会社によって異なるので、確認しておくと安心です。たとえば、損害保険ジャパン日本興亜の「ドライビング! 」では、一定の衝撃を検知した場合やドラレコの緊急ボタンを押した場合に事故通知を行うことができるものの、車が大破したときのことを考え、端末での通話はできません。

同社では「あおり運転の被害にあった際に、誰かにサポートしてほしい」という声を受け、今年8月より、あおり運転などを受けたときに緊急ボタンを押すことで、撮影した動画を登録している人へ共有され、助けを求めることができるようになりました。

さらに、事故時にALSOK(綜合警備保障)の警備員が事故現場に駆けつけて相手方とのやりとりを代行してくれるサービスがついており、特に高齢者や女性の評価が高いです。

「運転寿命」を延ばす理由

親の運転を危なっかしく感じて親に免許証返上を提案しても、なかなか応じてもらえず、親子関係がピリピリしているご家庭は日本全国で多いですね。生活を送る上で車を手放すのが難しいなら、親の運転能力を維持・向上させて“運転寿命”を延ばす方向を検討してみる視点も大切です。

実は、損害保険会社がドラレコ特約を開発した動機のひとつに、2017年3月の道路交通法改正があります。75歳以上の高齢者の免許更新時には認知機能検査が行われることになったのを受けて、各社ともに運転寿命を延ばす工夫を盛り込んでいます。「なぜ保険会社が? 」と思う人もいますが、自動車保険契約者に、より長く車を利用し安全に運転してもらうということは、保険会社の本業にとって重要なのです。

各社では、多機能ドラレコから得られた運転データ(急ブレーキ・急ハンドル・急アクセルの発生頻度など)に基づき、運転診断レポートを毎月(保険会社によっては毎回、毎年も)提供しています。また運転データは点数評価され、全国平均、同年代平均などの評価と比較した客観的な運転技術の把握や、急ブレーキ・急ハンドル・急アクセルの発生頻度、強さ、時間帯といった傾向を見える化できます。

運転診断レポートによって、同世代のドライバーと比較したり、結果を家族と共有することが可能なので、運転能力の衰えに気づくきっかけになったり認知症の予兆把握に役立ちます。

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