「サンドボックス」でデジタル人材を呼び込む
――広島県以外にもデジタルトランスフォーメーションに取り組む自治体がありますが、制度の構築や整備に苦労しています。広島県はどうでしょうか。
昨年度から「ひろしまサンドボックス」(イノベーション促進のための、新たなビジネス実験場の仕組み)という、デジタルビジネスを実証実験するためのプログラムを開始した。その目的は、県内外の企業や人にデジタル技術を活用した地域課題解決に関わってもらい、デジタル技術のスキルや活用ノウハウ、デジタル人材を広島県に集積させることだ。
【2019年12月11日12時05分追記】ひろしまサンドボックスに関する初出時の説明を修正いたします。
広島県はデジタル人材が少なかった。デジタル時代に向けて、2019年7月、県庁にデジタルトランスフォーメーション推進本部を設置して、人材の層を厚くするためにもサンドボックスを大々的に打ち出している。広島県の取り組みをアピールし、「あの企業が参加するならうちも」という循環を生みたい。
――この構想はいつから始まったのでしょうか。
この3~4年の話だ。当初はデジタル人材やスキルを広島県内に集積しようという取り組みはなかった。特に一極集中が進む東京と競争するのは大変だ。
だが、ディープラーニングが普及し、5Gの見通しが出てきて、テクノロジーによる社会変革が本格化している。その中で、広島県の価値や競争力を維持するためにも、デジタル化に合わせて変わっていかなければいけないという問題意識が出てきた。