管理職も私たち流!ナナロク世代の流儀 元専業主婦、落ちこぼれ社員だからこそ
――モヤモヤ会議や飲みに行くということは、コミュニケーションにとってすごく大事だと思うのですが、伊藤さんはお子さんが2人いらして、今は基本的に定時に帰られているんですよね。そういうコミュニケーションは、なかなかしにくくないですか?
伊藤:毎日、つねに定時に帰宅しているわけではなく、家族と分担しながら育児をしています。しかし勤務時間は短く、部下を飲みに誘うということは、どうしてもなかなかできないですね。
――その分は昼間ですか。コミュニケーションを取るのは。
伊藤:はい。ただ昼間も10時から17時までデスクにいないこともありますし、どれだけ時間があっても、やっぱり人数が多いですから難しい面もあります。私の場合は基本的には質のほうでも頑張るしかないという感じで、会えないときには、たとえば電話をとてもよくかけるんですね。褒める電話を。
――携帯に、「この企画よかったよ」って?
伊藤:はい、褒めるときはすぐ電話をかけます。たとえば原稿が出来上がり、いいなと思ったらまずメールより電話です。そうすると少しは深くなるかなと思って。でもやっぱり足りないです、まだまだ。モヤモヤ会議とかいいなと思います(笑)。
女子ナナロク世代の”野望”
――最後に皆さんにこれからやってみたいこと、どんな働き方をして、どんなふうになっていたいかというのを、最後に伺いたいなと思うのですが、白井さんいかがですか。
白井:私の部下や同じ部署のメンバーも含め、本当に新しい、面白いものを見いだして、ローソンはどんどん面白いことをやっているよねと、思ってもらえるようになりたいですね。自分がいなければこの世に存在しないものを作りたいです。そういうことをやっていきながら、マネジメントもしてきたいと思います。
――小林さんはいかがですか。
小林:たとえば「い・ろ・は・す」を開発して、それまで水を飲むときに環境と結び付けて考える人っていなかったと思うのです。けれども、そういう提案が自分ひとりではできないけれど、一緒になってやることで、こんなふうに実現して、それが世の中に受け入れられていくということがすごく楽しいのです。なので、これからも昨日までなかったことというのが自然になるような提案ができたらいいなと思っています。
――伊藤さんはいかがですか。
伊藤:そうですね。私は、女性の新しい働き方というバトンを先輩方が実践され、私たちの世代に渡してくれたと思うのです。私は40歳なので40代として次の30代の皆さんにバトンを磨いて渡したいなっていうふうに思います。
やっぱりダイバーシティ(多様な働き方)はすべての人のものだと思いますので。子供がいるママもそうですし、そうでなくても同じです。誰もが豊かに過ごして、それで仕事も結果が出せるような、そんな選択肢を少しでも増やして、バトンを渡したいと思います。
私は編集長職のときに出産していますが、周囲には「おめでとう」よりも「もったいない」とまず最初に言われました。自分でもそう思っていたのです。自分はハンデを背負ってしまった。残業ができないとか、遅い日はおばあちゃんに頼まなければとか。いろいろ悩んでいたのですが、考えてみたら、ここまで洗い物をしている時間というのは会社の同僚にはあまりないかもとか、17時半に電車に乗れるというのはなかなか貴重かもとか、ほかの人には見えにくい世界を見ていると思うと、そこにヒットの芽があったりする。
私の場合はたまたまそういう生活ですけれど、出産でなくても、結婚をしていてもしていなくても、生活者視点になることで感じられる世界があるんじゃないかな、と思います。いろいろなハードルがあるけれど、女性の人生に無駄なし、です。
――みなさん、ゼロからイチを新しく作り出すというような気持ちがすごく強い3人だなあと、今日、お話を聞いていて思いました。ナナロク世代は就職氷河期を体験し、自分たちに管理職が本当に勤まるのだろうかとに悩む方も多いと思いますが、誰でもやればできるというのが、3人の共通したメッセージではないかと思います。どうもありがとうございました。
(構成:江口和孝、撮影:梅谷秀司)
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